社員の熱い思いを優先し、お得な価格に

 50周年車が米国車風のモデルになったのは、新車ディーラーや並行輸入車販売を行う光岡自動車が、長年アメ車を扱ってきたという背景がある。

 そして、同社デザイナーでもある青木孝憲課長と、商品企画を担う渡部稔執行役員がともに、「アメ車を題材にしたカスタマイズカーを手掛けてみたい」という思いがあったからだという。

渡部稔執行役員。アメリカで過ごした20代のころの情熱がよみがえるようなクルマを目指したという
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カーデザイナーでもある青木孝憲課長。最も有名な作品は、同社のスーパーカー「大蛇」。ロックスターの開発では、大蛇に関わったメンバーが多数参加しており、それが他の光岡モデルとの差別につながったと話す
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 特に渡部執行役員は米国・カリフォルニアで青春時代を過ごした経験があり、「その頃の情熱を思い起こさせる刺激的な一台に仕上げたかったという思いが、Rock Star誕生のきっかけ」だという。

 青木氏も、「ただコルベットをそのままよみがえらせるのではなく、誰もがアメリカ車らしいスタイルだと感じ、カッコいいと思い、見ても乗っても気持ちがたかぶるものにしたかった」と話す。

 先行オーダーをした顧客は、渡辺執行役員同様に米国に憧れを抱いた世代である50~60代の男性が中心だという。

 発表会に出席した光岡章夫社長は、「私はもう少し高くてもよかったかなと思ったが、社員たちの思いを優先し、500万円を切る価格(からのスタート)にした。かなりお得感は高いと思う」と話した。

 「弊社でもクラシックなコルベットを取り扱うが、高価なうえメンテナンスにも多くの時間と費用が求められる。アメリカ車らしいスタイルを気軽に楽しめるRock Starは魅力的だと思う。将来的には、中古車価格は新車同等かそれ以上となるのではないか」(光岡社長)と新型車への自信を見せた。

50周年記念車のロックスターへの自信と期待を語った光岡社長
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納期は早くても2019年初夏

 納期は、かなり待つことになる。自動車メーカーとしては規模が小さく、ボディー架装は、ハンドメイドになるからだ。計画では2019年に生産を開始するという。2018年度は先行受注の50台を、2019年度と2020年度に75台ずつ生産するとしている。ユーザーの手元に届くのは、最も早くて2019年の初夏ごろになるようだ。

 光岡自動車は今後、オリジナルのカスタマイズカー販売に力を入れ、専売ディーラーも拡大していくという。

 Rock Starの好評ぶりは、光岡自動車のクルマ作りにも変化を与える可能性がある。今後、新たなアメリカンなモデルが登場することも期待できそうだ。

納期まで多くの時間が必要となるロックスター。現時点ではどんなに好評でもそれ以上生産する予定はないそう
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■変更履歴
初出では、「2020年度と2021年度に75台ずつ生産する」と記載しておりましたが「2019年度と2020年度」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。該当箇所は修正済みです。 [2018/12/12 11:30]

(文・写真/大音安弘)