業界ネタ一筋、国内から海外まで取材カバー歴15年の長谷川朋子さんが、いま気になるエンタメコンテンツをお節介にも紹介しながら、そこから見えてくるトレンドも勝手に解説します。今回は走り出した10月スタートの連ドラの傾向からドラマ事情を紹介します。

法廷ドラマ~米倉涼子、新キャラ確立なるか

 右肩上がりで数字を伸ばした『義母と娘のブルース』(TBS系)が7月クール民放連続ドラマの平均視聴率トップを独走し、夏はホームドラマが久々に盛り上がった。10月クールは刑事、法廷からビジネス、恋愛、ヒューマン、サスペンス、グルメなど、ジャンルの上ではそう偏りなく並んでいる印象を受ける。それでもいつも通りゴールデン、プライムのドラマは法廷、刑事ものが強いのか。

 法廷を舞台にしたドラマは2本。月9でハリウッドの人気ドラマをリメイクした『SUITS』(フジ系)と、主演の米倉涼子が新キャラクターで挑む『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子』(テレ朝系)だ。それぞれ1話完結型の痛快エンタメを売りに、見やすさ重視のドラマが展開していきそうだ。

 双方ともに話題性の仕込みにも抜かりない。『SUITS』は織田裕二と鈴木保奈美が『東京ラブストーリー』以来27年ぶりの共演がそのひとつ。また『リーガルV』は米倉涼子がフリーランス医師・大門未知子役から巻き込み系ヒロインへのイメージ転換に関心度が高い。

 『リーガルV』の制作陣は脚本家以外『ドクターX』とほぼ同じメンバー、同じ木曜ドラマ枠ということもあり、数字に対するプレッシャーは必要以上にありそうだ。「米倉涼子さんだけでなく、共演する向井理さんや菜々緒さんらのキャラクター作りも入念に仕掛け、“キャラクターショー”を目指したい」と話していた関係者の言葉からもそれがうかがえる。

木曜ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレ朝系、毎週木曜21時~)
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恋愛ドラマ~オリジナル脚本対決に注目

 一方、今クールは恋愛系も充実している。火曜夜10時は有村架純の相手役に新人の岡田健史を起用した禁断×純愛ストーリー『中学聖日記』(TBS系)、水曜夜10時は新垣結衣と松田龍平が今どきの恋愛を描く『獣になれない私たち』(日テレ系)、金曜夜10時は戸田恵梨香とムロツヨシによる純愛劇『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)などがそろう。

火曜ドラマ『中学聖日記』(TBS系、毎週火曜22時~)
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金曜ドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系、毎週金曜22時~)
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 恋愛ものは視聴者層が絞られがちだが、恋愛ドラマ鉄則のカップル2人のしっくり感によって大きく化ける可能性はある。また、『獣になれない私たち』は野木亜紀子、『大恋愛』は大石静が脚本を手掛ける。完全オリジナルの脚本家対決にも注目である。

 10月クールは17シーズン目に入る『相棒』(テレ朝系)、18シーズン目の『科捜研の女』(テレ朝系)、続編が投入される『下町ロケット』(TBS系)もあり、「シリーズ化」作品も目立つ。これら固定ファンがついているドラマはある程度の視聴率が確保できるだろう。2桁台をキープすることすら厳しくなっている今、数字が見込める作品は局にとって貴重な存在だが、シリーズ化されるドラマのジャンルは限られているようにもみえる。