性交後に飲む緊急避妊薬(アフターピル)が手軽に手に入るようになることについて賛否両論があるなか、オンライン処方を始めたナビタスクリニック新宿の久住英二医師になぜオンライン処方に踏み切ったのかを聞いた。

緊急避妊薬とはなにか

 緊急避妊薬は「アフターピル」「モーニングアフターピル」「プランB」などとも呼ばれる服用する飲み薬のこと。日本では現在、医師による処方が必要となる医療用医薬品(処方薬)だ。

 性交渉でコンドームに穴が開いた、外れたなど避妊具の装着不備や経口避妊薬の服用忘れなど、避妊措置に失敗した場合や、避妊措置を講じなかった場合に、望まない妊娠を回避するために緊急的に使用する。通常は産婦人科を受診し、院内で薬を受け取るか、もしくは院外処方箋を発行してもらい調剤薬局で受け取る。性犯罪の被害に遭ったときに事後の避妊手段として使われる場合は、外傷治療や感染症検査も必要なため救急外来を受診し、処方してもらう。

 欧米に遅れること約10年、日本で初めての承認薬にして現在も国内で唯一製造・販売するあすか製薬の「レボノルゲストレル(商品名ノルレボ錠0.75mg)」は2011年5月に発売された。性交後72時間以内に1回1.5mgを飲んで、黄体ホルモンで排卵を抑制したり、遅らせたりして妊娠しにくくする。副作用は出血や吐き気など。性交後72時間以内に飲んだときの妊娠阻止率は国内外の臨床試験で約8割。飲むのが早ければ早いほど良いといわれている。

 1回の費用は約1万5000円。自由診療なので、医療機関ごとに費用は異なり、2万~3万円が多い。ノルレボの売上高は年間11億円に上る。

 なお緊急避妊薬は「計画的」な避妊法がうまくいかなかった時に使うバックアップであり、毎回頼るものではない。

上があすか製薬「ノルレボ錠1.5mg」。下はナビタスクリニック新宿で扱っているアフターピル「ella」