防水・透湿素材の代名詞「ゴアテックス プロダクト」などを開発する世界的化学材料メーカー、米W. L. Gore & Associatesは8月3日、防水性をうたわない新ブランド「ゴアテックス インフィニアム プロダクト」を発表した。2018年秋には、「ザ・ノースフェイス(THE NORTH FACE)」「モンベル(mont-bell)」「エコー(ECCO)」の3ブランド協力のもと商品をリリースする。 また、新しいブランドの枠組みとして、「ゴアテックス インフィニアム プロダクト 」と、従来の防水、透湿を軸とした「ゴアテックス プロダクト」の両ブランドを統合した「ゴアテックス ブランド」も発表した。
ゴアテックス インフィニアム プロダクトは、防水性に縛られない快適さ(コンフォート)と機能性(パフォーマンス)を実現するため、4つの新しい素材群(下図参照)を採用した。「雨の日以外にも使用したい」というユーザーの声やタウンユースのニーズを受け、新ブランドの立ち上げに至ったという。
日本ゴア社のマーケティング担当者は、「新ブランドは防水性をうたっていない。従来の(黒い)ゴアッテクス プロダクトで防水性を維持していきつつ、ゴアテックス インフィニアム プロダクトでは“機能性・快適さ”に特化していきたいと考えている。例えば、肌触りやストレッチ性、防風性など、これまでゴアが参入していなかったところに向け、弊社で培ってきた専門的な知識を生かした商品を開発していきたい」と、ブランドアイデンティティーを語った。
さまざまなアクティビティーに対応する、デイリーユースの新定番
ザ・ノースフェイスからは、ジャケットとグローブが2種ずつ発売予定だ。ジャケットは、はっ水機能がありながら柔らかな手触りで、透湿性にも優れた素材「GORE TEX INFINIUM ソフトラインド・シェル」を使用したMA-1型の「GTX Q3 Jacket(GTX キュースリージャケット)」と、フーディタイプの「GTX Pamir Jacket(GTX パミールジャケット)」。
グローブは、ソフトシェルグローブと、フリース素材グローブで、2種類とも優れた防風性を持つ「GORE TEX INFINIUM グローブ with ストレッチ テクノロジー」を使用し、着けたままスクリーンをタッチできる(タッチスクリーンタイプ)。
ジャケットのみ、ジャパンオリジナルとして、ザ・ノースフェイス直営店のうち限定店舗のみで販売されるという。
世界に先駆けて登場する新しい旅のパートナーウエア
モンベルからは、「Viento Cross Jacket(ビエントクロスジャケット)」が発売になる。こちらにも「GORE TEX INFINIUM ソフトラインド シェル」を採用。モンベルの高い技術力を生かし、気候の変動が激しい地域でのトラベルシーンをより快適にするという。
一日中履いても快適 ドレスシューズ
デンマーク発のプレミアムコンフォートシューズ&レザーグッズブランド・エコーからは、レディースショートブーツ、「ECCO SHAPE(エコー シェイプ)」と、「ECCO SCULPTURED(エコー スカルプチャー)」が発売になる。スマートなフォルムを維持したまま外気や寒さから足を守る「GORE TEX INFINIUM THERMIUM フットウェア」を搭載している。ECCO直営店、全国ECCO取り扱い百貨店およびECCO公式オンラインストアで販売される。
「防水性」をうたわないゴアテックス インフィニアムプロダクトは、今後どのような技術力でアウトドアファンを驚かせてくれるのか。日帰りキャンプや野外フェスなど、アウトドアがより多くの人にとって身近な存在になった今だからこそ、注目しておきたいブランドだ。
初出では、「スマートなフォルムを維持したまま外気や寒さから足を守る『GORE TEX INFINIUM THERMIUM プロダクトテクノロジー』を搭載している。」と記載しておりましたが「GORE TEX INFINIUM THERMIUM フットウェア」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。該当箇所は修正済みです。 [2018/9/6 10:00]
記事タイトルを「街でも着て! 防水じゃないゴアテックスの新ブランド」から、「街でも着て! ゴアテックスの新ブランド「インフィニアム」」に修正しました。[2020/1/17 14:30]
(文・写真/石川優太)