Raspberry Pi(ラズパイ)を活用する楽しい作品やアイデアを表彰する「みんなのラズパイコンテスト2018」の受賞作品が発表された。過去最大となる184件の応募が集まった。機械学習を使ってピンポン玉を的確に打ち返す作品がグランプリに選ばれた。

 ラズパイマガジンと日経Linux、日経ソフトウエアが主催する「みんなのラズパイコンテスト2018」は2018年5月28日~10月11日の期間、Raspberry Piを使った電子工作やアプリケーションの作品・アイデアを募集した。5回目となる今年は過去最大の184件の応募が集まった。

 審査委員長を務める青山学院大学の阿部和広客員教授は、「作品のレベルが毎年上がっている中、実用性を目指した作品と、作って面白いという作品の二つに分かれてきた」と総括した。その中から、動いている様子の面白さで群を抜いていた、伊藤真さんの「ピンポン玉を打ち返すハンドロボット『ハンドロン』」が最高賞のグランプリに選出された。機械学習でピンポン玉の動きを学び、3Dプリンターで自作した「手」で的確に打ち返す作品だ(図1)。

図1 グランプリを受賞した「ピンポン玉を打ち返すハンドロボット『ハンドロン』」
[画像のクリックで拡大表示]

 伊藤さんのハンドロボットは、機械学習の「強化学習」(Q-learningmodel)というアルゴリズムを使って、ボールの打ち返し方を自動的に学習する。実際に動かしている動画が「https://makkochinote.jimdo.com/」で見られる。

 台の上部に、カメラを取り付けてあり、その画像からピンポン玉がハンドに到達するときの位置を予測する。その位置によって、ハンドを上側また下側に持っていって防御するか、あるいは強く打ち返すか(端に来た場合)を判断する。これで、打ち返す速度が最も速い方法を学習していく。

 3Dプリンターで自作したハンドは、関節が二つあり、プーリー(滑車)にベルトをかけて回す。プーリーなら、強く打ち返すなど無理な力がかかったときに、ベルトが滑って負荷を逃がせる。ギアを使うと破損すると恐れがあると考えた。

 プーリーは、サーボモーターではなく、ステッピングモーターを使って回している。サーボモーターは一般に回転の速度が遅く、角度も限定され、ハンドをグルグル回すようなことは難しかったからだ。一方、ステッピングモーターは、サーボモーターのように角度を正確に指定して動かすことはできない。代わりに、角度がずれたときは、カメラからの画像で補整するようにした。