「そうだ、『ili』を持って行こう」。米国シカゴへの出張が決まった時、こう考えた。

 ili(イリー)はログバー(東京都渋谷区)が2018年2月15日に発売した「一方向音声翻訳機」だ。iliのマイクに日本語で話しかける(入力する)と、iliのスピーカーから英語か中国語、韓国語の3カ国語のいずれかに通訳して発声(出力)してくれる*1。

「ili(イリー)オフライン翻訳機」。希望小売価格:2万1384円(税込み)、長さ:121.8mm、幅:33.0mm、厚み:13.0 mm、重量:42g、入力言語、日本語のみ(固定)、出力言語:英語・中国語・韓国語、充電池:内蔵型リチウムイオンバッテリー、USB充電時間:約3時間、通常使用時間:3日間
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 実は、iliは旅行などでの簡単な会話の翻訳を想定した商品だ。今回の出張の目的は、シカゴで開催される国際工作機械見本市(IMTS)の取材。技術記者が取材という仕事に使うのは、本来のiliの使い方とは言い難い*2。

 それでもiliを選んだのには理由がある。英語だけでなく、中国語や韓国語にも対応しており、小型で持ちやすく操作が簡単そうだったからだ。カメラやメモ帳、製品資料などを抱えての取材時に、「小型・軽量」「簡単操作」はありがたい。専門的な会話はできなくても、ちょっとした日常的な言葉でも翻訳してくれれば助かる場面があるのではないか——。こう考えたのだ。

 後述するが、この判断自体は間違っていなかった。購入直後、取扱説明書を読めば5分で使えるほどシンプルな操作。横で見ていた9歳の息子が真似して使い始めるほど簡単だ。同梱のストラップで手首にひっかけておけば、持っていることを忘れるほどの軽さ。気軽に持ち歩いて、とっさに使えるメリットは大きかった。

 しかし、予想外の仕様に戸惑った。翻訳後に出力される声が、女性、しかも少女に近い女の子の声だったのだ。

*1 英語、中国語、韓国のいずれかで入力し、日本語を含む3カ国語で出力するモデルも販売している。
*2 外国人旅行客を相手に商品説明や会計案内などの業務に利用できるとする上位機種「ili PRO」がある。