ビックカメラグループは2018年10月16日、人気のWindowsパソコン「Microsoft Surface」シリーズを残価設定型ローンで購入できる「Microsoft Surfaceアップグレードプログム」を開始した。ビックカメラおよびコジマ、ソフマップのサービスサポートカウンター設置店舗で利用できる。

最新モデルの「Surface Pro 6」。12.3型Windowsタブレットで、別売のキーボード兼カバーを取り付けるとノートパソコンのように使える
最新モデルの「Surface Pro 6」。12.3型Windowsタブレットで、別売のキーボード兼カバーを取り付けるとノートパソコンのように使える

残価設定型ローンとは?

 残価設定型ローンは、商品購入時の価格からローン終了時の推定買い取り価格(据置価格)をあらかじめ差し引いた金額を、分割で支払う仕組み。ローン対象金額が商品購入時の価格より低くなるため、通常のショッピングローンより月々の支払額を抑えることができる。自動車の購入で利用されることが多い方式だ。

 「Microsoft Surfaceアップグレードプログム」の場合、ローン期間は2年で、ローン終了時の推定買い取り価格は商品本体価格の約30%に設定されている。その分を差し引いた金額に、セットになっている「MicrosoftComplete+」(2年間の保証と初期設定サービスを組み合わせた延長保証サービス)の価格1万9800円を合わせた金額を、金利手数料無料の24回払いで支払う。ビックカメラグループは同様の残価設定型ローンをMacやiPadで行っており、その対象をSurfaceにも広げた形だ。

 2年経過後は、(1)使用してきたSurfaceを下取りに出して、10%増しで買い取ってもらい最新モデルに買い替える、(2)残価を支払って使用中のSurfaceを買い上げる、(3)Surfaceの使用を終了する、の3つのプランから選ぶ。

Surface Pro 6ではカラーバリエーションとして黒いモデルが設定された
Surface Pro 6ではカラーバリエーションとして黒いモデルが設定された

最新モデルを使い続けたい人向きのサービス

 たとえば、最新機種であるSurface Pro 6のCore i5/128GB SSD/8GBメモリーモデル(LGP-00014)の場合、メーカー希望小売価格は11万9790円(税込み12万9373円)。この本体価格とMicrosoftComplete+の価格の合計13万9590円(税込み15万757円)から据置金額3万8000円を引いた価格を、初回6957円以降4600円の24回で支払う。合計支払い額は11万2757円となる。

 そして2年後にはビックカメラグループの下取りサービスを使って最新のSurfaceに買い替えるか、据置金額を支払って買い上げて使い続けるかなどを選択する。買い上げの場合は全額支払って購入する場合と同じだ。MicrosoftComplete+が不要な人にはその分の金額は余分な出費となる。使用を終了する場合はSurfaceは手元に残らないので、2年間Surfaceを安く利用できることをお得と考えるかどうかが判断の分かれるところだ。2年間のレンタルサービスに近い。

 新型Surfaceに買い替える場合だが、Sufaceシリーズを使い続けたい人には割安でアップグレードできるのでお得と言える。パソコンのスペックは2年経過すれば古びてくる。処理性能や機能に不満を感じるようになる人もいるだろう。2年おきの乗り換えとなるが、常に最新のパソコンを使いたいと考えている人にはお得なサービスだ。

 音楽配信や動画配信で定額制サービスが増え、ソフトウェアもマイクロソフトの「Office 365 Solo」のように定額制サービスが増えてきた。米Microsoftは金利なしの24回払いでSurfaceシリーズを購入できる「Surface All Access」を開始しており、日本でも導入を検討中としている。内容は異なるが、ビックカメラグループの「Microsoft Surfaceアップグレードプログム」は、その動きに先んじたものとも言えそうだ。金利0%で最新パソコンを使い続けられる、いわばパソコンの定額制サービスと言えるこうした仕組みが、将来はパソコン導入方法の主流になっていく可能性もあるだろう。

将来のパソコン購入方法の主流になるか
将来のパソコン購入方法の主流になるか

(文/湯浅英夫)

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