9月23日、東京ゲームショウ2018の会場内に設置されたe-Sports X(eスポーツステージ)で、「ウイニングイレブン 2019 オンラインCO-OPトーナメント」が行われた。8月にインドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会の公開競技として採用され、 2019年秋に予定されている「いきいき茨城ゆめ国体」(第74回国民体育大会)の競技にもなっている「ウイニングイレブン(ウイイレ)」。今回の大会は、3人同時に操作する3対3のCO-OP戦での頂点を決める大会である。
今回使用されたソフトは、8月30日に発売されたばかりの「ウイニングイレブン2019」。トッププロたちもまだゲームの細部を研究している段階で、手探り状態でのプレーだったが、さすがというべき素晴らしいプレーが連発した。3人が同時に操作する3対3の試合のため、ソロプレーでの実力者が必ずしも有利ではない。チームとしての成熟度の高さや“阿吽の呼吸”がものをいう、チームスポーツとしての魅力を持つ大会でもあった。
今回の大会に参加したのは、プロライセンス保持者による5チーム、メディア大会の上位2チーム、茨城国体のプレ大会で優勝した1チームの、計8チーム。この中から事前に行われた予選を勝ち抜いた4チームが、e-Sports Xのステージに進出し、トーナメント方式で優勝を争った。なお、この大会の優勝チームは、2019年に行われるサウジアラビアとの国際親善試合への出場権を獲得する。
実力派選手がプレーで魅せる
では大会の詳細を紹介しよう。準決勝第1試合は、CO-OPの世界大会経験者をそろえた「ユウQあーる」(使用チームはFCバルセロナ)と、1on1のプロ2人とCO-OP世界大会経験者1人でチームを組んだ「We love サウジ!」(同リバプールFC)による決戦。午前に行われた予選で対戦相手が不参加のため不戦勝になり、試合勘が鈍っていたユウQあーるが慎重に試合を進め、訪れた最初のシュートでリードを奪う展開に。しかし、We love サウジ!がセットプレーから劇的な同点ゴールを奪取し、試合はそのままPK戦へともつれ込んだ。PK戦ではユウQあーるのキーパーが神がかったセーブを連発し、決勝進出を決めた。
準決勝第2試合は、アジア競技大会の日本代表選手であり、金メダリストとなったレバ選手、SOFIA選手を擁する「そうだ、サウジへ行こう」(同FCバルセロナ)と、3人のプロライセンス保持者をそろえた「カストロミナンダバーチャット」(リバプールFC)の戦いに。試合は一進一退の好ゲームとなるも、後半にカストロミナンダバーチャットが勝ち越しのゴールをヘッドで奪い、その後は相手の猛攻をしのぎきって2-1で勝利。決勝へとコマを進めた。
個人技も見せて優勝
決勝はユウQあーるとカストロミナンダバーチャットによる戦いになった。互いに譲らぬ好ゲームが動いたのは後半になってから。ユウQあーるの強烈なシュートは相手キーパーが触れたことでポストに弾かれたが、ゴール前での混戦から執念で押し込み、先制した。すると、ユウQあーるはフォーメーションを5バックの超守備的布陣に変更。
これを受けて、カストロミナンダバーチャットはすかさず4トップの超攻撃的布陣へと変更、同点を狙う。このまま膠着(こうちゃく)するかと思われた試合だったが、カストロミナンダバーチャットは3対3ならではのチームプレーではなく、個人技を見せてゴールを奪い、試合を振り出しに戻した。その勢いのままPK戦を4-3で勝利し、カストロミナンダバーチャットが優勝をもぎ取った。
大会後は、PC版の「ウイニングイレブン 2019」を使用しての国際エキシビジョンマッチも開催された。アジア競技大会の金メダリストであるレバ選手、SOFIA選手による日本チームと、アジア競技大会で銅メダルを獲得したベトナムからのチーム、東アジアの強豪・韓国のチームによる総当たり戦は、来場者にウイイレの世界的な人気を印象付けた。
(文/野安ゆきお、写真/志田彩香)