東京ゲームショウ2018一般公開日の2日目のe-Sports X(eスポーツステージ)では、バンダイナムコエンターテインメントの人気対戦格闘ゲーム『鉄拳7』で争う、「鉄拳プロチャンピオンシップ 日本代表決定戦」が開催された。大会は「大阪の破壊神」の異名を持つ破壊王選手が激戦の末、大逆転勝利を収め、高額賞金と日本代表選手の権利を得た。
「鉄拳プロチャンピオンシップ 日本代表決定戦」は東京ゲームショウ2018ビジネスデイ2日目の2018年9月21日(金)にDay1、一般公開日2日目の2018年9月23日(日)にDay2の、2日間にわたりダブルイリミネーショントーナメント方式で開催された。『鉄拳7』のプロライセンスを所持する選手9名の中から、国際大会に派遣する日本代表選手を決定する大会となる。
『鉄拳7』のプロライセンスは、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が公認する大会において好成績を収め、取得に相応しいと判断された者に対して発行されるという。今大会で好成績を収めた者は、2018年11月に台湾で開催される「第10回eスポーツワールドチャンピオンシップ」や、2019年1月にサウジアラビアで開催される「日本・サウジアラビア eスポーツ 国際親善試合」に日本代表選手として派遣される予定だ。
また、優勝者には賞金60万円、準優勝者に35万円、3位には15万円の高額賞金が提供される。また、『鉄拳7』には体力が減ったキャラクターの攻撃力が自動的に上がる「レイジシステム」というシステムがあり、その状態で利用出来る「レイジアーツ」または「レイジドライブ」という技でKOを奪った場合、その回数分だけ1万円が支給される。
今回の大会は各動画配信サイトで生中継されるほか、BSスカパーによる衛星放送での放映が予定されており、注目度が高さが伺える。
大幅アップデートによりキャラを変更する選手も
今大会は、9月6日に提供された大幅アップデート、『鉄拳7』シーズン2(Ver.2.00)が適用されてから初の大会になるという。キャラクターの攻守のバランス調整や新要素が追加され、各選手が旧バージョンで慣れたキャラクターをそのまま使い続けるのか、それとも条件が良くなったキャラクターに変更するのかも、見所のうちの一つになるという。ただし、解説によると「キャラクターを変更した選手の成績は良くない」とのことだった。
今大会のルールは、1ラウンド60秒、3ラウンド先取で1セット獲得となり、2セットを先に獲得した選手の勝ちだ。1試合目に使用するキャラクターのみ、審判に事前申告が必要となり、セットを取られた選手のみ操るキャラクターを変更できる。また、対戦ステージはランダムで決定される。
今大会で採用されたダブルイリミネーショントーナメント方式は、ウィナーズ(勝者)側とルーザーズ(敗者)側の2つのトーナメントを組み、ウィナーズ側のトーナメントで1度負けた選手は、ルーザーズ側のトーナメントに再度組み込まれる。そのトーナメントを勝ち進むことができれば、ウィナーズ側のトーナメントの勝者と決勝で戦うことができ、そこで勝った選手が総合的な勝者となる。1度負けても勝ち進めば優勝するチャンスはあるが、2回負けた時点でその選手は敗退となる。
Day1の時点でウィナーズ側のトーナメントに、ノロマ選手、ダブル選手、ペコス選手、破壊王選手の4名、ルーザーズ側のトーナメントにノビ選手、AO選手が確定していた。
Day2に勝ち進んだ6選手の対戦がスタート
Day2の1試合目と2試合目はウィナーズ側トーナメントの準決勝戦だ。1試合目は「デビル仁」を操るノロマ選手と「ロウ」を操るダブル選手の対戦。ダブル選手にストレートで1セットを取られると、その勢いのまま2セット目も奪取し、ダブル選手と勝利となった。2試合目は「ギース」を操るペコス選手と「キング」を操る破壊王選手の対戦。「キング」の特徴という投げコンボを駆使し、2セット先取で破壊王選手が勝ち進んだ。
3試合目は1試合目の勝者のダブル選手と、2試合目の勝者の破壊王選手の戦い。ダブル選手は破壊王選手の攻撃を全く寄せ付けず、1試合目の勢いのまま勝利した。これでダブル選手はウィナーズ側トーナメントを制し、決勝戦進出となった。
4試合目はルーザーズ側トーナメントで、準決勝戦の試合だ。ルーザーズ側トーナメントに組み込まれたペコス選手と「ミゲル」を操るAO選手の戦いで、ペコス選手が勝ち進んだ。 ステージ中央の対戦ステージ裏にも対戦台が用意され、ルーザーズ側のトーナメント表が埋められ、ルーザーズ側トーナメントの決勝戦は、破壊王選手とペコス選手による戦いとなった。ペコス選手はここまで「ギース」を使い続けていたが、ここで「ボブ」に変更。2試合目と異なり1セットずつ取得する白熱した戦いとなったが、僅差で破壊王選手が決勝戦に勝ち進んだ。
対戦格闘ゲームによる対戦は、小刻みにしゃがみや移動を繰り返すことで、相手の間合いを崩したり、隙を探るといった動きは、本物の格闘技に通じる物gあありかなりの緊迫感がある。瞬時に一瞬のミスを性格突く判断力は、とても常人には出来ないと感じた。
決勝戦がスタート、そして熱い戦いの結末は
決勝戦は、ウィナーズ側のトーナメントを勝ち進んだダブル選手と、ルーザーズ側のトーナメントを勝ち進んだ破壊王選手との戦いとなった。なお、決勝戦はダブル選手が2セット先取した時点で優勝。破壊王選手は2セット先取すると、一度セット数はリセットとなり、再度2セット先取すれば優勝というルールになる。
ダブル選手が1セットを先取し、2ラウンドをあっさり先取して優勝に王手をかけた。このまま試合が終わるかと思われたが、ここから破壊王選手が怒濤の追い上げを開始。ストレートで3ラウンドを勝ち1セットずつの同点に追いついた。最終セットでも2ラウンド先制されピンチに追い込まれたが、またも3ラウンドを連続で勝ち越しに成功した。破壊王選手が2セットを先取しセット数をリセットしたことで勢い付いたのか、そのまま2セットを先取して見事な逆転勝利を納め、優勝賞金60万円と日本代表の座を得た。
(文/田代祥吾、写真/木村輝)