東京ゲームショウのe-Sports X(eスポーツコーナー)で9月22日、「パズドラチャンピオンシップ TOKYO GAME SHOW 2018」が開催された。『パズドラ』のプロゲーマー4人による頂上決戦で、賞金総額はなんと1000万円。8月の予選を勝ち上がった3人と、決勝当日の敗者復活戦を勝ち上った1人によるトーナメント制の大会である。
予選を勝ち上がったのは、パズドラチャレンジカップ2018対戦部門3位の「ふぃあれす」選手、パズドラオープンカップ2018年優勝の「リフレッシュ」選手、第4回パズドラジャパンカップ優勝の「ゆわ」選手の3人。ここに敗者復活を勝ち上がった「スー☆」選手が加わり、決戦の火ぶたは切って落とされた。
『パズドラ』大会は、ゲームの実力はもちろんだが、どのようなチームを組むかという編成力、そして相手のチーム編成にうまく対処することが勝敗に大きく影響する。
今大会では、選手が試合に使えるのは4チームまで。しかも編成は事前登録制であり、当日の変更は不可。加えてリーダーのモンスターは全部異なるものにする必要があり、チーム編成に使用するモンスターも、4チーム分(20体)をすべて異なるものにするという制限が設けられた。
ポイントとなるのは、どのリーダーを選んだかは事前に公開される一方、残りのモンスターは大会直前まで伏せられていることだ。対戦相手が、どのモンスターをチームに組み込み、どんなスキルを用意してくるかの膨大な全パターンを想定し、事前に対処しておく必要がある。試合中もどのモンスターを何ターンめに使用してくるかを探り合いながらの戦いになり、きわめて高度な心理戦が展開するのである。
試合は2本先取制。1度使用したチームは同じ試合で再登場させないこと、これがこの大会の重要ポイントだった。大会初戦で2-0のストレート勝ちすれば、2チームの編成を隠したまま決勝に挑めることになり、圧倒的に有利になるのである。初戦から出し惜しみはできないのだ。
ここまで高度な読み合いが行われるゲームであるにもかかわらず、パズルフェイズで「どんなブロックが落ちてくるか?」によってコンボが追加されるかどうかが変わり、勝敗の機微は変化する。これが『パズドラ』の妙味であり、手に汗握る戦いを生む最後のスパイスなのだ。
では、大会の様子を紹介しよう。
ステージ上で行われた抽選により、1回戦第1試合はリフレッシュ選手対スー☆選手という、これまで何度となく対戦してきた因縁のカードに決定。試合内容は互角といっていい展開だったが、「落ちコン(落ちてくるブロックによる偶然性の高い追加コンボが発生すること)のおかげで劣勢だった1戦めを勝てたことが大きかった」とリフレッシュ選手が振り返ったように、運を味方につけたリフレッシュ選手が2-0で勝利した。
第2試合は、プロゲーマーとなって初の公式戦となるふぃあれす選手と、驚異の中学生ゆわ選手の対戦に。「公式戦で、そんな意外性のあるチームを組むのか?」と解説陣を驚かせながも、堂々と本大会まで勝ち上がってきたゆわ選手。しかし、この試合ではゆわ選手の独特のチーム編成は力を発揮できず、2-0でふぃあれす選手の勝利となった。
決勝戦はリフリッシュ選手とふぃあれす選手との戦いに。「いま、一番強さのバランスがいい。とにかく対人に強い」と解説陣が舌を巻く安定度を見せたリフレッシュ選手が、堂々と2-0で勝利。見事に賞金500万円を獲得し、東京ゲームショウで開催された第1回パズドラチャンピオンシップの王者となったのだった。
(文/野安ゆきお・写真/小林 伸)