9月20日午後2時30分――。e-Sports X(eスポーツステージ)で、[FIFA 19]日本-オランダ eスポーツ国際親善マッチ「浦和レッズダイヤモンズ vs. フェイエノールト・ロッテルダム」が開催された。日欧強豪選手たちによる国際親善試合である。

 フェイエノールトといえば、かつて浦和レッズに所属していた小野伸二選手が在籍したことでも知られるオランダの名門サッカークラブ。eスポーツのチームを持っており、ここから来日した2人のトップ選手を、浦和レッズの代表が迎え撃つという構図だ。

 試合に先立ち、ステージには一般社団法人日本eスポーツ連合会長・岡村秀樹氏、そしてオランダ駐日大使アルト・ヤコビ氏が登壇。岡島氏は「ヨーロッパ屈指のスポーツ大国、そしてeスポーツ大国であるオランダとの親善試合との試合」について語り、ヤコビ氏は400年以上にわたる日本とオランダとの親善が、このような新しい形で発展したことをうれしく思う」と語るなど、和やかな雰囲気で親善試合の幕は切って落とされた。

日蘭を代表するサッカークラブが、サッカーゲーム『FIFA18』で対戦するという記念すべきイベントである。
日蘭を代表するサッカークラブが、サッカーゲーム『FIFA18』で対戦するという記念すべきイベントである。
一般社団法人日本eスポーツ連合会長岡村秀樹氏(右)、そしてオランダ駐日大使アルト・ヤコビ氏(左)。
一般社団法人日本eスポーツ連合会長岡村秀樹氏(右)、そしてオランダ駐日大使アルト・ヤコビ氏(左)。

 この親善試合で使用されたゲームは『FIFA18』。2つの名門クラブの親善試合であるため、ゲーム内での使用クラブは浦和レッズとフェイエノールトで固定。ハンデをなくすため、すべての選手の能力値を同じ値に設定して行われた。

 第1試合は、明治安田生命eJ.LEAGUE優勝経験を持つ実力者カール選手と、欧州トップクラスの実力を持つFeyenoordJaeyD選手による1on1の試合。双方がトッププロならではの緻密なパスワークを展開し、試合は激しい打ち合いに。2-2で90分が終了し、試合はPK戦にもつれこんだが、PK戦を4-3でカール選手が逃げ切りに成功。観客からの声援というホームの利もあってか、浦和レッズが先勝に成功する。

 第2試合は、カール選手とfantom選手、FeyenoordJaeyD選手とYimmieFD選手がそれぞれタッグを組む2on2の試合。両選手のコンビネーションがカギとなる試合だが、ここでフェイエノールトの2人は、あえて緻密なパスプレーを減らし、シンプルなセンタリングを混ぜる攻撃を見せる。付け焼刃のパスワークではなく、個の力を最大限に生かす戦略だろう。試合は終盤に浦和レッズか2点差を追いつき、試合はまたまたPK戦へ。しかし、このPK戦をフェイエノールトが3-1で勝利。トータルの戦績を1-1へと引き戻す。

 最終戦は、Fantom選手と、eWorld Cupのトップ10に入る実力者であるYimmieFD選手との1on1。しかし、ここでYimmieFD選手が世界トップ10の実力を見せつけ、決定的なシュートを浴びることなく2-0で逃げ切ってみせた。これでトータル2-1でフェイエノールトの勝利が確定し、親善試合は和やかな空気とともに終了した。

 日本のeスポーツファンにとっても、日本ではめったに見ることができない世界のトップ選手の試合は感動的なものだったはず。会場は次第にヒートアップし、このイベントは大成功だったといっていいだろう。

 試合後は、「世界のトップ選手と日本で戦えるのはうれしい」(カール選手)、「フェイエノールトの彼らは世界トップレベル。この親善試合を身のあるものにしたい」(fantom選手)、「日本のトップ選手と戦えてうれしい」(FeyenoordJaeyD選手)、「初めて来日して、ゲームショウにいてドキドキしています」(YimmieFD選手)と、お互いの健闘を称えあい、こうして記念すべき日本とオランダの親善試合は幕を閉じたのだった。

試合光景。ゲーム内の赤と白のユニがフゥェイエノールト。浦和レッズはアウェイユニの黄色を着用している。
試合光景。ゲーム内の赤と白のユニがフゥェイエノールト。浦和レッズはアウェイユニの黄色を着用している。
FeyenoordJaeyD選手(右)と、YimmieFD選手(左)。eスポーツ大国であるオランダからの来日した。
FeyenoordJaeyD選手(右)と、YimmieFD選手(左)。eスポーツ大国であるオランダからの来日した。
浦和レッズの代表として出場したのはカール選手(右)とfantom選手(左)。
浦和レッズの代表として出場したのはカール選手(右)とfantom選手(左)。
試合後、選手たちは和やかな空気で互いの健闘を称えあった。
試合後、選手たちは和やかな空気で互いの健闘を称えあった。

(文/野安ゆきお・写真/木村輝)

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