多彩な展示やイベントが実施される東京ゲームショウだが、ビジネスを目的とした企業の展示も多い。中でも最近増えているのが海外企業の出展だ。日本市場に直接参入している企業だけでなく、これから日本市場への参入を目指す企業や、日本のビジネスパートナーを探す企業など、大小合わせて非常に多くの企業がゲームショウに出展している

 今年のゲームショウにも、アジアや東欧などの企業を集めた「ニュースターズコーナー」が用意され、ゲーム産業振興を目指す各国の政府機関などが、自国の企業を一堂に集めて展示を実施している。だがそうしたコーナーとは別に、独自の展示を実施している国の機関もあるようだ。

「ニュースターズコーナー」には今年も、インドネシアやマレーシアなど多くの海外企業や政府機関が出展していた
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 そのうちの1つがオランダ大使館である。オランダ大使館のブースにはオランダの7社のゲーム企業が出展し、自社のゲームを披露している。関係者に話を聞いたところ、オランダのゲーム産業はインディーゲームを開発するスタジオなど、比較的小さい規模の事業者が多いのが特徴とのこと。開発するゲームの内容やプラットフォームはバリエーションに富んでおり、PCやスマートフォン向けだけでなく、コンシューマーゲーム機向けのゲームを手掛ける企業もある。

ニュースターズコーナーとは別に、単独でブースを構える政府機関もある。オランダ大使館はその1つで、ブース内では7つの企業が自社ゲームを展示している
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 そうした企業がゲームショウに出展する狙いは、日本でのパートナーを獲得するBtoBの目的だけではないという。既に日本でもゲームを配信している企業もいくつか存在していることから、自社ゲームの日本でのプロモーション、つまりBtoCを目的としているところも多い。

PCやモバイル向け以外を手掛ける企業もあり、インディーゲームのパブリッシャー、Raw Furyは『KINGDOM:TWO CROWNS』というゲームをNintendo Switchでデモ
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 もう1つがシンガポールのPIXEL STUDIOSである。これはシンガポールのIMDA(情報通信メディア開発庁)が主導している、中小のゲーム企業を支援するための機関。同ブースには12のシンガポール企業が自社のゲームを展示している。ゲームは主にスマートフォン向けが多いが、VRゲームを手掛ける企業などもあるという。

シンガポールのPIXEL STUDIOSは同国の中小ゲーム企業を支援する機関で、同ブースには12の企業が出展している
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 こちらでも関係者に話を聞いたところ、出展の主な目的は日本で自社のゲームを配信するパブリッシャーの獲得。だがそれだけでなく、日本のメディアとの接点を持つことも、狙いの1つになっているというのだ。自社のゲームを日本で配信するに当たり、メディアに取り上げてもらうために出展するケースも多いようだ。

シンガポールの企業もモバイル向けを中心として、PCやVRなど幅広いバリエーションのゲームを提供している。写真はBattleBrew Productionsの『BattleSky Brigade』というゲーム
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 国内では「規模が小さい」と見る向きが多い日本のゲーム市場。だが、こうして取材してみると、他の国にとっては規模が大きく魅力的な市場であり、多くの海外企業が日本進出を狙っていることが見えてくる。日本ではあまり馴染みがない国も多いが、そうした国の企業が日本でどこまで成功を収められるか、注目されるところだ。

(文・写真/佐野正弘)