電波の強さはどのくらい? 実際に調べて対策を検討

 電波の仕組みは以上。次に、家庭内で実際の電波を測る方法を解説しよう。悩みを解決するには、本当に電波が弱くなっているのかどうかを、確かめる必要がある。悩みがない人も、ぜひ一度測定してみることをお勧めする。きちんと強い電波で通信していることを確認できるだけでも収穫だ。また、局所的に電波が弱くなるデッドスポットが見つかることもある。

 測定にはアンドロイドのスマートフォンがベストだ。無料の測定アプリが公開されている(図8)。

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図8 電波が弱いのではと疑問を持ったら、電波の強さを測ってみよう。アンドロイドスマホが手元にあれば、「Wi-Fiオーバービュー360」などの測定アプリを使って簡単に電波強度を調べられる。親機に接続した状況で「無線LAN情報」タブを開き、実測値を確かめよう(1、2)。チェックするのは、まず電波の強さ。-40dBm以上ならば文句なし。それ未満でも、ある程度の「Wi-Fiスピード」が出ていれば取りあえずはOK。-80dBm以下なら、通信への悪影響がすでに出ているはずだ
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 測定アプリで見るべきポイントは、まず電波強度。これは「dBm(デシベルミリ)」という単位で示される。マイナス値で、0に近いほど電波が強い。

 一般にマイナス30からマイナス40あたりが最も強い数値。ここから、マイナス70程度までは体感上、通信に影響が出ているようには感じない。ただし、計測すると通信速度(Wi-Fiスピード)が落ちていることが多い。

 マイナス80近辺を割り込むと、急に通信が遅くなったり、つながらない感じになってくる。

 図8の画面にある「Wi-Fiスピード」は、前述した「電波状況に応じて速度調整した結果、実際に使われる通信速度」(図2参照)だ。電波が強いのにこの値が小さいときは、ほかの機器に邪魔されている可能性が考えられる。逆に、電波が弱いのにこの値がある程度大きいときは、ノイズの少ない良好な電波環境と考えられる。

 このアプリを使って、家中のいろいろな場所で計測してみよう(図9)。つながりにくいところを測るのはもちろんだが、どこならば強い電波で高速に通信できるかを調べておくのも、Wi-Fi活用のヒントになる。

図9 実測の例。親機と同じ1階では、電波も強く、速度も最高で文句なし。2階に行ってもルーターの真上ならまあまあだ。ただ、思っていたよりも数値は良くなかったという印象。つながりにくかった2階の奥は案の定、電波がかなり弱かった
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 近所の親機が使っている「チャンネル」も調べておこう(図10)。Wi-Fiで使う周波数帯は複数のチャンネルに分かれており、異なるチャンネルを使うことで混信による速度低下を防いでいる。同じチャンネルを使う親機がほかにいる場合、自宅親機のチャンネルを変えるのも有効だ。

図10 親機との距離が近いのに電波が弱い、もしくは電波は強いのにうまく通信できないといった状況なら、ほかの親機を疑おう。「チャンネルレーダー」タブを開いて周波数帯を選択する(1、2)。自分の親機(SSID)を表した山と、重なっている山の親機が速度低下の原因かもしれない。特に2.4GHz 帯は重なりやすい。山が重なっても通信不能になるわけではないが、速度低下要因にはなり得る
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 スマホがない場合は、パソコン用の測定ソフトを使おう(図11)。電波強度や、Wi-Fi親機が使用しているチャンネルなどを確認できる。

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図11 パソコンで調べるなら、フリーソフトの「ワイヤレスネットビュー」を使おう。チェックするポイントは3つ。まず、自分の親機の電波強度(1)。強い電波を出しているほかの親機と(2)、同じチャンネルを使っている親機(3)もチェックする
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