教育用プログラミング環境「Scratch」のイベント「Scratch Conference 2018」の2日目は、「創造的な作品をいかにつくるか」に関するキーノート(基調講演)「Creative is Not a Noun」を皮切りに、さまざまなワークショップや活動報告が実施された(1日目の様子はこちら)。

 本レポートでは2日目以降の同カンファレンスの概要をお届けする。

創造力を発揮できるかは、才能ではなく、やり方次第

 2日目のキーノート「Creative is Not a Noun」では、コンピュータを活用した学習環境の専門家であるハーバード大学准教授 カレン・ブレナン氏の仕切りのもと、アーティストにして作家のオースティン・クレオン氏が登壇、自身の書籍『クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST』(実務教育出版、2012年)などに基づいて、クリエイティブな作品をつくるためのヒントをコミカルに紹介した(写真1)。

写真1●2日目のキーノートに登壇したアーティスト兼作家のオースティン・クレオン氏。キーノート会場に聴衆が収まり切らなかったためか、となりの会場でもビデオで見ることができた
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 クレオン氏の主張は、創造性は才能ではなく、方法あるいは道具の使い方によるものであるというもの。この主張に基づいて創造的な作品をつくるための数々のヒントを紹介した。具体的には、天才である必要はない、アーティストのように盗め、手を使おう、本業以外も大切にしよう、いいものを作ってみんなと共有しよう、捨てるものを決めよう……といったものだ。これらのヒントをユーモアと示唆に富んだ語り口で、例えば「芸術とは盗むことだ」というパブロ・ピカソの言葉などを散りばめながら、展開した。

 そのうえで、単にコピーして盗むだけではなく、ピカソのように、自分だけにしかできない「何か」を加えてオリジナルを超えること、オリジナルに敬意を払って報いることが大切である、と強調した。

 この2日目には、ブレナン氏も参加してコンピューテショナル・シンキングに関する討論「Rethinking Computational Thinking」も行われた(写真2)。それ自体が複雑なものである「思考」における計算機的とはいったい何か、それをどう学び、どう活用するのかについて、熱い議論が交わされた。米国においても、コンピューテショナル・シンキングの定義そのものへの関心が高いことがうかがえた。

写真2●コンピューテショナル・シンキングに関する討論の様子
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