ボーズは2018年6月20日、米ニューヨークで入眠用デバイス「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS」を発表した。見た目は完全ワイヤレスイヤホンだが、音楽を聴くためのデバイスではない。音響機器メーカーのボーズが、睡眠を助けるデバイスという新分野に進出するプロダクトだ。北米での実売価格は249ドルで、日本では今年秋に発売される。

ボーズの入眠用デバイス「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS」
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 なぜ、ボーズが入眠用のデバイスへ参入したのかーー。ボーズによるとニューヨーク市の「311ダイヤル」(緊急ではない通報ダイヤル)に寄せられる苦情で最も件数が多いのは騒音で、その数は2010年の1万8500件から2017年には3万8000件へと増える一方だという。苦情の多い時間帯は夜9時から午前1時にかけてで、その多くは睡眠を妨げる騒音が原因だ。「犬の鳴き声」「うるさい隣人」「交通騒音」「エアコン、製氷機、エレベーターの音」など、生活の中にある音が睡眠を妨げている。「パートナーのいびき」に悩まされている人も多い。ボーズはここにビジネスチャンスがあると見ているのだ。

ニューヨーク市の苦情件数は年々増え続け2017年には3万8000件
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 察しの良い人は、ボーズが「QuietComfort 35」などの、騒音を打ち消す機能を持つノイズキャンセル・ヘッドホンを販売していることを知っているかもしれない。だが「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS」にはノイズキャンセルの技術は搭載されていない。ノイズキャンセル技術は、地下鉄や路上の騒音といった昼間の騒音に対しては有効だが、夜間に人を悩ます騒音は不規則なものが多いため、あまり有効ではないのだという。

 そこでBOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDSはノイズキャンセルではなく、騒音を覆い隠す“ノイズマスキング”の発想で作られている。