パソコンはオールインワン的な販売スタイルをそろそろ改めるべき?

 ただ、道越氏は「パソコンの販売はいくぶん上向きになってきたとはいえ、本格的な回復とはいえない。日常的にスマホを使っている人に対し、パソコンを使うことのメリットや魅力を認識させて新規ユーザーを取り込んでいかなければ、再び下落傾向に陥るはず。複数のプログラムをウインドウで開いて同時に使い分けられる点や、スマホでは不可能な大画面でさまざまなコンテンツをリッチに楽しめることなど、パソコンならば高度な情報消費が可能なことを訴求すべきだろう」と指摘する。

 パソコンの人気を取り戻すために、日本のパソコンメーカーは販売方法を見直す時期ではないかとも述べる。「パソコンの販売シェアを見ると分かるように、国内ではNECや富士通など国内メーカーの人気が高い。オフィスをはじめとするさまざまなソフトが導入済みで、すぐに使い始められる手軽さが支持されているからだ。電話などのサポートも充実しているので安心感もある。だが、その分のコストが価格に転嫁されているため、当然ながら価格は高い。海外メーカー製品と比べれば、格段の差がある」と、Windows 95/98時代のインターネットブームから長らく続くオールインワン型の販売方式が価格の高止まりを招いていると指摘する。

平均単価が6万円前後で推移する海外メーカー製のパソコンと比べ、日本メーカーのパソコンは価格帯が10万円前後とかなり高い(右グラフ)
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 「ユーザー自身が自分の使い方に合ったソフトを探してインストールし、独学で使いこなすといった経験を積まなければ、ITリテラシーは上がらない。ソフトの導入やトラブル解決をメーカーや人に頼るライトな利用スタイルでは、結果的に自立できない。昨今、学生のITリテラシーの低下が叫ばれることが多いが、学生に限らず日本人全体がそうなってきているのではないか」と、この販売方式が日本人のITリテラシーの低さを招く要因の1つになっているとの懸念を示した。