新作はプロダクション・アイジーの強みをすべて出した

――Netflixで公開されるプロダクション・アイジーの作品は『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』(COJ)に次いで2本目となります。

石川社長: 実際の配信は後になってしまいましたが、契約の順番は『B: The Beginning』(当初のタイトルは『パーフェクトボーンズ』)のほうが先だったんです。

 それに、COJは石ノ森章太郎さんの原作「サイボーグ009」があってのもので、製作も石森プロと共同でした。最新作の『B: The Beginning』はアイジー単独、原作も完全オリジナルですから、この作品こそが、今後、Netflixとやっていけるかどうかを決定する作品と言えます。弊社としても全力でいきましたよ。お見合いと同じで、最初からこちらの一番の強みを出すのが、相手に対する正しいアプローチだと思っていますから。

『B: The Beginning』。『キル・ビル』のアニメパートの監督として世界的に知られる中澤一登氏が監督した完全オリジナル作品。製作はプロダクション・アイジー
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――そうして完成した作品の手応えはいかがですか?

石川社長: 完成した1話を見て「いや、すごいな」と。絵の気持ち良さなど、中澤一登監督の持ち味が集約されていたし、日本のアニメーションの底力というか、スタッフに誇りを持てるような仕上がりになっていました。しかも、1話から最終の12話まで、ずっとそのテンションやクオリティを維持できたことに驚いています。

 ストーリーについても、今回は米国のドラマシリーズのような流れを意識して作っています。通常の日本のアニメではディテールの作り込みを含めて、どうしても後からDVDを売ることを視野に入れてしまう。それも大切なことですが、今回はネットで配信するNetflixということもあって、シリーズ通してザーッと見られる流れを監督が作りたがっていました。言葉も難しいものや日常で使うと違和感があるようなものは排除して、自然なものを選んでいます。そうした取り組みもうまくはまったのではないかと思います。

――私も拝見しましたが、映像も美しかったです。特にアクションシーンの美しさが印象的です。

石川社長: そうですね。僕は今回、スマートフォンでも見てみたんですよ。テレビなどの大きい画面で見れば、音を含めて迫力があるのは当然です。でも、映像のクオリティが高ければ、スマートフォンでも十分満足できると実感しました。

ストーリーは凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称「Killer B」の謎を解き明かすサスペンス
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謎を解き明かすうち、予想を超える陰謀と因縁が見えてくる
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 『B: The Beginning』を作る上で、中澤監督は欧州の薄暗い雰囲気や色調、空気感を映像で表現することにこだわっていました。地上波だと暗すぎるとかもっと感度を上げようといった話になるんですが、今回は中澤監督のこだわりをそのまま実現できていると思います。

 アクションシーンもね、シチュエーションとそのバックグラウンド、ストーリーと背景がマッチしているんです。漫画原作をアニメ化する場合、これらの辻つまが合うようで、実は意外と合わないんです。これらを一貫してコントロールできるのは、オリジナル作品ならではだったと思います。