これらの欠点は、デジタル一眼レフがフィルム一眼レフの基本構造を流用していたことに起因しており、デジタル処理を前提とした設計のレンズ交換式カメラが登場すれば解決できると見込まれていた。

 その答えとして登場したのがミラーレス一眼だ。平成20年(2008年)、オリンパスイメージング(現・オリンパス)と松下電器産業(現・パナソニック)がマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼の開発を発表。先に挙げたデジタル一眼レフの欠点を払拭できることを訴求し、写真ファンからの期待ががぜん高まった。

コンパクトで高級感を持つボディーの「ペンE-P1」(オリンパスイメージング)。カメラ女子が急増するきっかけとなった
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 マイクロフォーサーズ第一号機として登場したのが、同年に松下電器産業が発売した「LUMIX DMC-G1」だ。だが、デザイン面のインパクトで一般にミラーレス一眼の魅力を広く知らしめることになったのは、オリンパスイメージングが翌平成21年(2009年)に発売した「ペン E-P1」といえる。往年のフィルムカメラ「オリンパス・ペン」をモチーフに、凹凸の少ないスリムなデザインに仕上げたのが特徴。白やシルバーで彩られた質感の高い金属製ボディーや、薄型のパンケーキレンズを組み合わせたことで、「デジタル一眼レフはダサいので持ちたくない」「難しそう」と考える若年層を獲得することに成功した。男女問わず人気がある女優の宮崎あおいさんをイメージキャラクターに起用し、ミラーレス一眼を首から提げて撮影を楽しむ「カメラ女子」が急増するきっかけを作った。

ソニー初のミラーレス一眼「NEX-5」。レンズマウントが本体からはみ出している
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コンパクトなボディーに高性能なフルサイズセンサーを搭載した「α」シリーズ(ソニー、写真はα7R)
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 複数のメーカーが賛同したマイクロフォーサーズ陣営に対し、独自規格のミラーレスを開発して製品を積極的に投入していったのが、デジタル一眼レフでは2強の後じんを拝していたソニーだ。平成22年(2010年)に発売したソニー初のミラーレス一眼「NEX-5」は、APS-C型センサーを搭載しながらコンパクトデジタルカメラ並みの小型軽量ボディーに仕上げたのが特徴。レンズマウントが本体からはみ出している画期的なデザインが大きな話題を呼んだ。

 「ソニーのミラーレス一眼」の存在感を飛躍的に高めることになったのが、平成25年(2013年)に他社に先駆けて発売したフルサイズミラーレス一眼「α7」だ。フルサイズセンサー搭載とは思えないコンパクトなボディーに仕上げたことに加え、自社製センサーの搭載でフルサイズながら15万円という戦略的な価格とし、世間を驚かせた。