先日開催されたカメラ展示会「CP+」の各ブースをくまなく取材した三井公一カメラマンは、ほかにはない要素を持つ個性派のデジタルカメラや交換レンズにヒットの芽を感じていました。

 好評のうちに幕を閉じた「CP+」では、高性能デジタル一眼レフを出展したニコンやキヤノン、高性能ミラーレス一眼をズラリ並べていたソニーなど、大手カメラメーカーが存在感を放っていた。だが、リコーイメージングやパナソニックのブースでは、競合メーカーにはないオンリーワンの要素を持つデジカメや交換レンズが出展されて話題を集めた。ライバル不在でヒット街道をひた走るリコーの全天球カメラ「THETA」シリーズに続く、次世代のヒットを予感させる個性派モデルをまとめてみたい。

他社の一眼ユーザーもうらやむ装備が充実、待望のフルサイズ一眼「K-1」

 リコーイメージングブースの目玉だったのが、4月下旬発売予定のフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」(実売価格は25万8000円前後)だ。PENTAXブランドのデジタル一眼レフでは初となる待望のフルサイズ機で、有効3640万画素の高画素センサーを搭載する。以前からティーザー広告で少しずつチラ見せして話題を盛り上げたこともあり、CP+はK-1目当ての熱心なPENTAXファンで大いに賑わっていた。

 ずんぐりむっくりとしたシルエットのK-1は、これまでのKシリーズと同様にボディーは肉厚だがギュッと凝縮された印象で、フルサイズ機ながら大きさを感じさせない。

「PENTAX K-1」は、多くのPENTAXファンが待ちに待ったフルサイズ一眼レフカメラだ。Kシリーズの伝統を受け継ぐボディー形状は角張っていて質実剛健な印象だが、意外とかっこよく感じた
[画像のクリックで拡大表示]
撮影情報は背面液晶に表示できるため、上面の液晶パネルはとてもコンパクトだ。ISO感度や露出補正など好きな項目を選べば、ダイヤルで直接変更できるように工夫している
[画像のクリックで拡大表示]

 見た目に反して意外に小ぶりなボディーには、センサーシフト方式の5軸手ブレ補正機構「SR II」や、精細感の向上かモアレ低減かが選べる「ローパスセレクター」など、他社のフルサイズ一眼にはない特徴的な装備や機能を備える。特に注目なのが、イメージセンサーユニットを1画素ずつずらしながら4回撮影し、1枚の高精細画像を生成する超解像技術「リアル・レゾリューション・システム」だ。歩く人物などの動体を感知したらその部分は合成処理しないなど、不自然な描写にならない工夫がいいと思う。

 外観では、何といっても背面の「フレキシブルチルト式液晶モニター」が目を引く。液晶を支える4本のアームが上下約44度、左右約35度まで可動し、光軸をずらすことがなくモニターの向きを上下左右、斜めに変えられるのがスゴい! これまでの可動式液晶のデメリットを解消した意欲的な構造として評価したい。

K-1の背面液晶は、4本のアームで自在に動く「フレキシブルチルト式液晶モニター」が何といってもスゴい! 不思議な感じで動くので、ぜひ一度手に取って試してみてほしい
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、モニターの背面などには白色LEDを用いた「操作部アシストライト」を搭載しており、ボタンやダイヤル類を照らして暗所でも確実に操作できるよう工夫している。真っ暗な状況で、ボタン類を照らすためにLEDライトやスマホを用いる人も多いが、星景撮影などの現場では周囲の人に怒られる可能性がある。操作部アシストライトならば、周囲への光の影響は最小限で済むだろう。

 ニコンの「D5」や「D500」のように、ボタンにバックライトを内蔵して照らす仕組みがもっともスマートなのは間違いないが、操作部アシストライトはダイヤルやSDカードスロットも照らせる点でメリットがある。K-1は、特にネイチャーフォト派には魅力的なカメラとなりそうだ。PENTAX初のフルサイズの写りも楽しみである。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
ブースには、K-1のトランスルーセントモデル(左)やカットモデル(右)が展示されていた。カットモデルでは、ペンタプリズムの大きさがよく分かる
新しいフルサイズ対応レンズも既存レンズとともにズラリと並んでいた。有効3640万画素のK-1の実力を生かすため、オールドレンズのリニューアルにも期待したい
[画像のクリックで拡大表示]

焦点距離は15mm! 超広角撮影ができるアクションカムもお目見え

 ブースでは、4K動画が撮影できる新しいアクションカム「WG-M2」(実売価格は4万4000円前後)が目を引いた。レンズは、35mm判換算で15mm相当と広角で、180度を超える204度もの画角で撮影できるのがとても興味深い。これでしか撮れない写真や動画を楽しんでみたくなる。ベストセラーとなった全天球デジカメ「THETA S」に続き、リコーがデジカメに新たな楽しみをもたらしてくれそうだ。

4K動画が撮影できるアクションカム「WG-M2」。35mm判換算の焦点距離は15mm相当と広角なのが特徴で、THETA Sに続く「オンリーワンのヒットモデル」となるか
[画像のクリックで拡大表示]
■変更履歴
・アクションカム「WG-M2」に関して、「35mm判換算の焦点距離は9mm相当」と記載していましたが、正しくは「15mm相当」でした。メーカーの製品情報に誤りがあったとのことです。お詫びして訂正いたします。該当箇所は修正済みです。 [2016/03/11 20:40]