ライブとは異なる「一体感」を

 今回の取り組みは、ジャニーズ事務所の総合的なエンターテインメント力やリアルコンテンツへの洞察と、SHOWROOMのIT技術、ネットやバーチャルでのコンテンツというそれぞれの強みを掛け合わせる。

 前田社長は「(人気のバーチャルなキャラクターには)女性キャラクターはたくさんいるが、男性キャラクターが少ない。人気キャラクターに必要な感情移入できる世界観やストーリー性に欠けているからではないか」と分析。海堂、苺屋という2人のアイドルではその欠点を補ったという。

SHOWROOMの前田裕二社長
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 また、出演者とリアルタイムにコミュニケーションできるSHOWROOMというツールを使うことで、従来のジャニーズアイドルではライブでしか味わえなかった「双方向性」や「一体感」が、日常的に感じられるのも特徴。配信中は、2人の会話やパフォーマンスにコメントを送ったり、リアルタイムで企画に参加するなどできる。

 今後、2人のキャラクターは、SHOWROOMというバーチャルな世界だけでなく、リアルな世界にも展開していく。現段階ではライブで演奏する楽曲の制作やアニメとのタイアップなどを想定している。海外にも展開したいと目標は高い。今までジャニーズのアイドルに縁がなかった人にも、バーチャルアイドルが届けるコンテンツを通してつながりを持たせ、ジャニーズJr.への関心に還元するのも狙いだ。

藤原、大橋に感じたネット活躍の素質

 あまたいるジャニーズアイドルの中から、藤原、大橋が選ばれた理由は、以前、前田社長がなにわ男子のライブを見に行ったとき、パフォーマンスはもちろん、ユーモアあふれるトーク力にも心を動かされ、「藤原と大橋はネットの世界に向いていると確信したから」だそうだ。前田社長は「ネットでは本人の持っているものが伝わってしまう。まっすぐ純朴で真面目な藤原と、太陽みたいに明るく周りを笑顔にする大橋は、ネット世界でも活躍できると思う」と期待を込めた。

 記者発表会では、前田社長が実際に海堂、苺屋と3人で会話し、バーチャルアイドル2人の表情など細かい動きまで見せた。前田社長が2人に「何か日頃の鍛錬の成果を見せてほしい」と頼むと、海堂はダンスを、苺屋はジャニーズファンにはおなじみの曲『勇気100%』を披露。 海堂は「まずは名前を知ってもらえたら」、苺屋は「見てくれる人の1日をちょっとでも幸せに」と謙虚かつポジティブな意気込みを語った。

発表会では前田社長が実際に海堂、苺屋と会話した
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(文/日経クロストレンド)