2015年に総務省が実施した「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の結果を踏まえ、同年12月にはNTTドコモ、au、ソフトバンクの大手携帯3キャリアに対し、総務省から料金引き下げに向けた要請があった。これを受け、キャリアは今年に入ってさまざまな施策を打ち出している。そのうちの1つが、ライトユーザーに向けたスマートフォンの料金プランの新設だ。今回のライトユーザー向けプランがどんな人に適しているのか、どうお得になるのかを考えてみよう。

 これまでスマートフォンの料金は、高速データ通信が可能な容量が多い料金プランを重視して提供しており、その分料金が高めになる傾向が強かった。NTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」を例にすると、通話定額の「カケホーダイプラン」(月額2700円)に加え、現在主流となっている高速データ通信容量が5GBの「データMパック」(月額5000円)、そしてインターネット接続に必要な「spモード」(月額300円)を契約した場合、料金は月額8000円となる。

 だが一方で、年齢層によっては高速データ通信をあまり利用しない人も多く、容量を持て余したり必要以上に高い月額料金を支払わなければならなかったりすることから、スマートフォンの利用を敬遠する傾向もあった。総務省が指摘したのは、こうしたライトユーザーに向けた小容量の料金プランを大手3キャリアが提供していない、あるいは端末や年齢を制限して提供していることが、スマートフォンの利用が広まらない大きな要因になっているということだった。そして、高速データ通信容量が少なく、より料金が安いプランを提供するよう要請したのである。

目安は“1GBで5000円以下”

 では実際のところ、どの程度の料金が“ライトユーザー向け”とされているのだろうか。先のタスクフォースのまとめを確認すると、「対象年齢や機種を限定して提供されている5000円以下のライトユーザー向けプランの価格帯も参考に、年齢や機種を限定せずライトユーザーも利用しやすいスマートフォンの料金プランを提供すべき」とされている。

 参考になるのは、キャリアが現在、年齢や機種を限定してライトユーザー向けに提供しているプラン、具体的にはシニア向けスマートフォン用の料金プランだ。これらを確認すると、NTTドコモの場合は「カケホーダイプラン」と、高速データ通信容量が200MBの「らくらくパック」(月額2000円)、そして「spモード」の契約で月額5000円。auのシニア向け端末「BASIO」用の料金プラン「シニアプラン(V)」では、通話はauの携帯電話同士の場合だけ1時~21時まで無料(21時~翌1時は30秒ごとに20円)、かつ0.7GBの高速データ通信容量、インターネット接続に必要なLTE NET(月額300円)も含めて月額5280円(「誰でも割」適用で4280円)となっている。

 そうしたことからライトユーザー向けの料金は、データ通信容量が1GB程度で月額5000円以下というのが、1つの目安とされているようだ。実際、3キャリアの新料金プランを見ると、いずれもこの目安を料金的にやや下回るよう設計されている。その上で、仕組みやお得になるユーザー層はキャリアによって違いがあるようだ。各社ごとにさらに見ていこう。

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auが2015年の春モデルとして発表したシニア向けスマートフォン「BASIO」。55歳以上のユーザー限定の専用料金プランは、0.7GBで月額4280円という料金を実現していた。写真は2015年1月19日のau新製品・サービス発表会より