進化した「ふくまろ」が、人と一緒に演奏できるようにしたい

富士通クライアントコンピューティング 執行役員 開発本部長 仁川進 氏
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 コンサートに来てくれたお子さんが、「ふくまろ」を通じて、「パソコンって面白いな」と感じてもらえていると嬉しいですね。お二人と「ふくまろ」とのコンサートは、できれば長く続けさせていただきたいと考えています。その中で、ふくまろがどんどん進化していけるとよいですね。

 技術者としては最後には、「ふくまろ」自身に楽器を演奏させたいと思います。ベートーベンの曲を楽譜通りに完璧に演奏するのは、パソコンは得意です。ところが、お二人の演奏を聴いて、自分で楽譜を理解して、それに合わせて音を出すというのはAIの技術としてはかなりハードルが高くなります。「ふくまろ」が1つのパートを担当して、演奏できるようになると面白い。技術的にもさまざまなハードルがあって、挑戦してみたいと感じます。何年先か分かりませんが、そこにアドリブの掛け合いもできるようになると完璧です。

 「ふくまろ」は、楽しさや癒しというところで、もっと進化していければと考えています。家族の表情を見て、怒っているからちょっと真面目にしようとか、きょとんとしてるからいたずらしようとかです。(談)

そのままの機能でコンサートを実現しました

富士通クライアントコンピューティング プロダクトマネジメント本部 BI統括部 部長 青山裕司 氏
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 今回は、音声を認識して動画や画像を再生するなど、「ふくまろ」の機能そのままでコンサートを実現しました。手を加えたのは、特定の言葉を言われたときに反応するように、「ふくまろ」が認識する基本語句を追加した程度です。

 準備段階で苦労したのは、会場のマイクの音声をどうやってパソコンに取り込むかです。もともと、「ふくまろ」は、パソコンの内蔵マイクからの音を利用する設計になっているためです。ステージ上の声がどう響くのか、会場の子供の声が入るとどうなるのかなどは、当日にならないと分からない部分でした。実際にパソコンの音をホールのスピーカーにつなぐことで、こんなにいい音が出せるのかと驚きました。

 今回、社内のみんなで頑張りました。技術関係では、オーディオ、ソフト、装置などの各部門から5人が参加して準備を進めました。演奏家とのリハーサルの前に、工場内でも2回リハーサルしました。

 今後の「ふくまろ」は、パソコンの普通のアプリではなく、ちょっと声を掛けたら「何」というようにしたいと考えています。何かをやりたくなったら、ちょっと声をかけたり、目を向けると「何しましょう」と聞いて来たりする「もう一人の家族」のような存在を目指しています。技術的には、常時電源オンや音声でのパソコン起動、人感センサーなどが要素になります。いつもリビングにあるなど、家庭の中のパソコンの使い方を変えていきたいですね。(談)

「ふくまろ」がチャンスを持ってきてくれました

富士通デザイン サービス&プラットフォーム・デザイングループ チーフデザイナー 揖隆弘 氏
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 コンサートでは、子供たちが楽しんでもらえるように、「ふくまろ」の魅力を伝えることを心がけました。最初にコンサートの話が持ち上がった時は、「ふくまろ」がチャンスを持ってきてくれたと感じて、嬉しかったです。

 コンサート用に、「ふくまろ」が指揮をする「喜びの歌」のアニメーションと、「おもちゃのチャチャチャ」のアニメーションを作りました。デザイナーとしては、普段と違って、パソコンのアプリケーションではないものを作れて面白かったです。

 もともと、「ふくまろ」というキャラクターは、親しみがあって、一緒に生活して楽しめるような存在としてデザインしました。利便性よりも家族の笑顔を生み出すことを大事にしています。今は、聞き損じがあっても憎めないような、緩い見た目のキャラクターです。今後は、見た目を裏切るような成長をして、可愛いいんだけど、気が利いて見た目以上の能力を出す、そんな「ふくまろ」になってほしいと願っています。(談)