フラッグレンタルサービスも開始

 2018年9月には来場者を対象とした応援フラッグレンタルサービスも開始した。これは、試合中にライオンズファンが振るフラッグを、1試合350円(税込み)で貸すというもの。「フラッグがあったほうが観戦は楽しい。レンタルできれば、会社帰りなどに手ぶらで来場してもらえるし、初観戦の人も気軽に応援に参加できる」(吉田マネージャー)。レンタル券は前述のMOARAを通じて、事前に申し込みと決済ができるので、会場では券を見せてフラッグを受け取るだけ。「試合前に並ぶことなくフラッグを借りられる」(吉田マネージャー)。

MOARA内のマーケットプレイス機能を使い、フラッグのレンタル券を販売。Quick Ticketと同様、球場でスタッフにレンタル券を見せる
メットライフドームのフラッグレンタル受付。Quick Ticketを見せるだけで金銭のやり取りはないため、手続きはスムーズ

ダイナミックプライシング導入も検討

 将来的には試合開始から一定時間が過ぎたら入場料を割り引くダイナミックプライシングの導入も検討するという。ダイナミックプライシングについてはこれまでも関心があったが、従来の紙のチケットで実現しようとすると球場窓口で発券しなければならず、混雑するのが課題だったとのこと。電子チケットならば、状況に応じて即時発券、販売できるし、来場する人が会場までの道すがらスマートフォンなどで購入、取得できるので、スムーズに販売できる。吉田マネージャーは「入場ゲートでは券種に関わらずスタンプを押すだけなので、運用も簡単。観客が少ない平日などに活用を考えたい」と意欲的だ。

 一連の西武ライオンズの取り組みについては、Quick Ticketを運営するplaygroundの伊藤圭史代表も「こうしたフレキシブルな運用こそが電子チケットの強み」と主張する。Quick Ticketのシステムでは、チケット購入者をセグメント化し、個別にLINEのメッセージを送信することができる。ライオンズはプレゼントキャンペーンに活用しているが、それ以外でも特定の来場者だけに割引券やビール1杯無料券などの特典を配布したり、動画や画像などのデジタルコンテンツを販売したりする使い方も想定できる。伊藤社長は、「不正転売の防止や効率化だけでは購入者に電子チケットを使ってもらえない。導入企業とともに、電子チケットならではの使い道を模索していきたい」と語った。

西武ライオンズ 事業部の吉田康治マネージャー(左)とplaygroundの伊藤圭史代表(右)

(文/平野亜矢=日経クロストレンド)