【鹿野カメラマン:第2位】ソニー「FE 85mm F1.4 GM」

 2016年はポートレートレンズの当たり年でもあった。シグマの「85mm F1.4 DG HSM」は僕も愛用しているが、女の子を撮るには最高の1本だと感じている。僕自身はほとんど使ったことがないけれど、ニコンの「AF-S NIKKOR 105mm F1.4E ED」も同様の評価を耳にする。

 それらと迷った末にランキングの2位に選んだのが、ソニーのEマウントレンズ「FE 85mm F1.4 GM」だ。同時に登場した「FE 24-70mm F2.8 GM」と一緒に試す機会があったのだが、当初興味があったのは自分にとって必要性が高い標準ズームのほう。しかし、実際に使ってみて「おおおーっ!」と魅了されてしまったのは圧倒的に85mm F1.4だった。

ソニーが2016年4月に発売した「E 85mm F1.4 GM」(SEL85F14GM)。描写性能を追求したG MASTERシリーズのポートレートレンズで、実売価格は20万円前後
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 最近の一眼レフはファインダー像のボケが弱く、大口径レンズを絞り開放で撮影すると、再生画像を見てボケの大きさに驚かされることがある。しかし、EVFを搭載するαシリーズでは、ファインダーで実際のボケをそのまま確認できる。シャッターを半押しすると、被写体がボケの海から浮かび上がってくる感覚を久しぶりに体験した気がした。もちろん、ファインダーでよく見えたから選んだわけではなく、レンズそのものの描写力も実にすばらしい。

 カールツァイス銘のFEレンズが解像力とコントラストにこだわっているのに対し、G MASTERレンズは解像力とボケ味という相反する要素の両立を目指したという。確かに、カールツァイスはキレ味が鋭く、スカッとクリアな印象があるが、この85mmはとても繊細で優しさや品格を感じさせる。絞るとさらに解像力が増すが、11枚羽根の円形絞りによりきれいなボケ味も維持。逆光にも強いので、ポートレートでもさまざまな絵作りが楽しめるはずだ。

絞り開放では実に艶のある描写を見せる。ミラーレスαのユーザーだけが味わえる耽美な世界だ(α7R II使用、ISO100、1/640秒、F1.4)
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