「東寺」展には密教仏の至宝が集結するが、他にも見逃せない仏像があちらこちらに。2019年の仏像鑑賞を楽しくする豆知識を伝授する。

『雲岡石窟』
中国には後漢時代(1世紀)に仏教が伝来。山西省の雲岡石窟は、北魏時代(5世紀)の造像と考えられている
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【ウンチク豆知識1】 仏像にはランクがある

 世界初の仏像は、出家後に悟りの境地に達した釈迦をモデルにした釈迦如来像。1世紀のガンダーラ(現パキスタン)、あるいはマトゥラー(現インド)で造られた。ガンダーラでは続いて修行中の菩薩が造られ、インドで密教が広まると明王が登場。天はインドの神話などに登場していた古来の神々を取り込む形で造られた。一般的に仏像は右の5種に大別。見た目の特徴や役割分担がある。

【ウンチク豆知識2】 中国の仏像は日本に影響大!

 日本は歴代の中国王朝と交易し、中国文化への憧れが強かった。「中国の仏像は、古くは遣隋使や遣唐使を通して日本の仏像に多大な影響を与えました。鎌倉時代に入ると、禅宗の到来とともに宋代の仏像がもたらされますが、日本ではそれを直接模倣することはなく、むしろ宋代の仏画からの影響が濃厚になりました」(大阪市立美術館・齋藤龍一さん)。

【ウンチク豆知識3】 明王は密教色が強い仏像

 「密教はインドで成立。勢力を拡大するために従来のヒンドゥー教の神を取り込み、7~8世紀には異形の密教仏が造られ始めます」(東京国立博物館・西木政統さん)。代表格が明王で、密教では中心的存在・大日如来の“特命係”として、衆生を正しい道に説き伏せる。空海は、インドから中国に密教を伝えた不空金剛の直弟子・恵果に直接学び、日本へ戻った。

【特別展】国宝 東寺 ─空海と仏像曼荼羅
2019年3月26日~6月2日
東京国立博物館

【特別展 時宗二祖上人七百年御遠忌記念】
国宝 一遍聖絵と時宗の名宝
2019年4月13日~6月9日
京都国立博物館

【大用国師二百年・釈宗演老師百年 大遠諱記念特別展】
鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」
2019年4月20日~6月23日
三井記念美術館

仏像【中国・日本】
2019年10月12日~12月8日
大阪市立美術館

「詳しい情報を知りたい方は、日経おとなのOFF 2019年1月号誌面でどうぞ。」