たかがホコリと思うなかれ。実はホコリは細菌やダニ、カビといった病原体の格好のすみかだ。それを知らないまま“勘違い掃除”をして、部屋中に病原をまき散らしていることがある。

 最も衛生管理を徹底しなければならない場所の一つが、病気を治療する施設である病院。その病院の清掃指導を長年行っている松本忠男さんが、病気にならないための掃除として重視するのは、「病原ホコリの除去」だ。

 「ホコリの主成分は、衣類から離脱した繊維や綿です。これだけならば病原体濃度は低く、病気の原因にはなりにくいでしょう。しかし、ホコリが堆積すると、そこに細菌やカビ、ダニが繁殖するようになります。それが病原ホコリです。病原体濃度が濃くなり、肺炎や喘息(ぜんそく)などの呼吸器系の病気を引き起こす原因にもなりかねない。注意が必要です」。

 その病原ホコリを家の中から除去すること、病原ホコリとなる前にホコリを取り去ることが大切なのだが、多くの人がホコリをまき散らすだけの“勘違い掃除”をしているのが実情だ。

ホコリの取り除き方○×:フローリングの床編

○ フローリングワイパーを1方向にゆっくり動かす
フローリングの床は、フローリングワイパーのドライシートで掃除する。先端にホコリを集めながら、床面を一筆書きしていく要領で、ゆっくり静かに前へ前へと滑らせるのがコツ。

【POINT!!】ワイパーを自分の体から離す
人間の体が動くと、風が起こり、ホコリが舞う。ワイパーを動かすときは、自分の体からできるだけ離すように!
[画像のクリックで拡大表示]
× ワイパーを前後に動かす
ワイパーを後ろに引くとホコリを置いたままに!
ホコリは、ヘッド面の先端で押しながら集めている。前後に動かすと、後に引いたときにホコリが置き去りになってしまう。

× 窓を開ける
風が入り込んでホコリが舞う
ホコリは少しの風でも空気中に舞ってしまう。ホコリを立てないためには、掃除中に窓を開けないこと。換気は掃除終了後に行う。

(イラスト/二階堂ちはる)

松本忠男さん
医療環境管理士
プラナ代表取締役。亀田総合病院グループの清掃管理者を経て独立。病院清掃の現場で体得したノウハウをもとに医療、介護施設などで掃除指導を行う。著書に『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)など。
「詳しい情報を知りたい方は、日経おとなのOFF 2018年12月号誌面でどうぞ。」