米を中心にしたおかずの絶妙な連係プレー
そんな数ある料理の中で、特に里井氏、渡辺氏の両名を「なんだろう、このおいしさ……」と魅了したのが、とろろ。
「とろろは粘りが強すぎると、ごはんの粒が生かされなくなってしまうと思うんです。でもおだしで伸ばしているので、適度に軽く、むしろ泡状でとってもふわふわ。ごはんの粒感がよく感じられて、お米を殺さない工夫はさすが」(里井氏)
食材やおかずとしては、ごく当たり前のメニューであるとろろだけで、これほどまでに食通を感激させてしまうところが、「えん」の「えん」たるゆえんなのだろう。
「ごはんがすすむ」のメニュー名どおり、里井氏、渡辺氏ともに、おかずを少量ずつ口に運んでは「おいしい」を連発しながら、お櫃を空にしていく。試食会が行われたのは大賞米の決定前だったため、両名ともに「ぜひ大賞米と一緒に食べてみたい」と口をそろえる。
そんなお2人にとって特に印象に残ったのは、「選べるおかず」の“連係の良さ”だ。
「『えん』ならではのおかずは、すべておだしがきいていて味わい深く、どれもごはんが進む味になっています。どれを食べても休むことなく、“リレー”できる内容になっているというか、箸休めがない感じ。でも、どのおかずも全然くどくないので、とにかく楽しみながら一気にいただけるはず。ごはんをお代わりする人が増えそうですね」(里井氏)
一方、「優秀なサッカーチームのよう」と表現するのが渡辺氏。「ゴールキーパーの米を中心に、ポジション取りがしっかりできている。空きスペースにそれぞれのおかずがきちんと走り込んで、非常に上手な“パス回し”を行っている。そんな“選手”たちを、だしや麹のうまみが支えているといったところでしょうか。メインの魚と肉は、どちらにするか絶対迷うと思いますので、今回はお肉、次回はお魚というように、両方味わっていただきたいですね」。
大賞米の「新之助」、そこにだしをきかせたおかずといった特別コラボレーショランチが、税込み1280円というお値打ち価格でいただける。試食をした2人が絶賛した「ごはんがすすむ 選べるおかず御膳」の提供期間は、12月7日から2019年1月6日まで。1日20食限定なので、「大賞米のうまさを実感したい!」という方はお早めに。
(取材・文/エイジャ、写真/稲垣純也)