9月21日、東京ゲームショウ2017のブシロードブースのステージにて、イベント「ブシロードのアジア戦略発表会」が開催された。

 ステージには同社社長の木谷高明氏が登場し、ブシロードが出資したシンガポールのMobiclix、ベトナムのフジテクノロジー、インドネシアのBazaar Entertainmentの3社を紹介した。木谷社長はシンガポールに「転勤」という形で3年前から移住しており、3社とはそこで出会ったという。

 木谷社長の紹介後、各会社の社長がステージに登壇し、それぞれの会社や事業内容などを説明した。

 Mobiclixはゲームや動画といったコンテンツの定額配信を、アジアで展開している。現地の携帯電話会社の提携などもあり、既に150万人のユーザーを持つという。Mobiclix社長のIdo Bukin氏に対して木谷社長は「会って2回目で投資しようと思った。ベンチャー(企業)は人に投資する」と語った。

 フジテクノロジーはベトナムの企業。恋愛シミュレーションゲームやRPGといった日本のゲームのローカライズやコンテンツプラットフォームの運営事業を手がける。フジテクノロジー社長の加藤典子氏は、ベトナムで商売するにはライセンスが必要ということや、クレジットカードの普及率が5%以下と極端に低くコンテンツの購入のほとんどがプリペイドカードによる支払いという、ベトナムの特殊事情を語った。また、ベトナムは数学に力を入れており、数学力が高くIT人口が200万人と多いため、ベトナムで企業したと述べた。木谷社長はベトナムについて「日本の平均年齢は40歳台を超えたが、ベトナムは人口が9000万人を超えてもまだ20歳台と若く活気がある。30~40年前の日本と似たガツガツとした雰囲気で、新しいものが期待できる」と語った。

 Bazaar Entertainmentは、ゲーム配信プラットフォームを展開するインドネシアの企業。ネットが先進国と比べて100倍遅く50倍高い発展途上国では「いいゲームが出てこない」と社長の大和田健人氏は述べ、P2Pを使いユーザー同士で配信や課金できる、コンテンツ配信プラットフォームを開発したという。サービスはすでにインドネシアで提供されており、ほかのストアアプリと比べ、インストール率や定着率が高いという。木谷社長はインドネシアに対し、「“軽井沢(のような場所)”と言われてジャカルタに行ったが、どこが?と思った。ジャカルタはほんとに行きたくない」と冗談を語りつつも「新しいものを生み出す活気を感じた」と述べていた。

 最後に木谷社長は「今稼ぐなら日本、中国、アメリカで展開すれば十分。だが、5~10年を考え、活気のあるアジア市場に投資した」と力強く語りイベントが終了した。

ブシロード社長の木谷高明氏。シンガポールへの移住はあくまで「転勤」と語り、数年後には日本に戻ると語っていた(C)bushiroad All Rights Reserved.
[画像のクリックで拡大表示]
シンガポールに本社を構えるMobiclix社長のIdo Bukin氏。イスラエル出身でまだ23歳。すでに3社でのキャリアを持つという(C)bushiroad All Rights Reserved.
[画像のクリックで拡大表示]
フジテクノロジー社長の加藤典子氏。ベトナムにおける特殊事情を語った(C)bushiroad All Rights Reserved.
[画像のクリックで拡大表示]
Bazaar Entertainment社長の大和田健人氏。インドネシアでP2Pを使った配信や課金サービスを展開する(C)bushiroad All Rights Reserved.
[画像のクリックで拡大表示]

(文/田代 祥吾)