楽なときは楽しくないし、楽しいときは楽じゃない

川島: 褒められることが寺尾さんの原動力ということですが、その原点ってどこにあるんですか?

寺尾: 小さいころから私は両親に褒められて育ったので、癖がついちゃったのかもしれません(笑)。でも、褒め方が変わっていたのが良かったと思っていて、「あれをしちゃいけない」「これをしたからダメだった」と評価されることなく、「やってみてえらいね」「挑戦するのはいいこと」と評価されてきたので、チャレンジを楽しむのが身についたんだと思います。

川島: そうやって挑戦を続けるなかで、成功する確率は3%っておっしゃっていました。それでも楽しめるんですか?

寺尾: 成功か失敗かは、一番大事なことじゃないんです。まずは、挑戦そのものがすばらしい行為だと思っていて、褒められるべきだと信じてる。それと、私には人生のテーマみたいなものもあって、究極は「すべてのエネルギーを使って燃え尽きたい」んです。別の言い方をすると、「究極まで楽しみ抜くこと」なんです。

川島: 「燃え尽きるのが楽しい」って、ロックだなぁ(笑)

寺尾: 川島さん、「楽」という字を思い浮かべてみてください。あれは「たのしい」とも「らく」とも読めますよね。でもこの2つ、私は真逆だと思っているんです。だって、楽なときって絶対楽しくないし、楽しいときって絶対楽じゃないんです。

川島: 何だか禅問答みたいです。

寺尾: 楽しかったときのことを考えると、それって楽じゃなかったはずです。難題を何とか解決したとか、苦境にあったけれど乗り越えたとか、あるいは逆に、何かを始めようとか、新しいことに挑戦しようとか、そういうとき、めちゃくちゃ楽しいですよね。不安や怖さを抱えながら、ドキドキするじゃないですか。私は、明日の朝も昼も晩も、あさってもまた、ドキドキしていたいんです。

[画像のクリックで拡大表示]