人生に迷えるライター・大木亜希子が「世の中に潜むちょっと変わった人」をインタビューし、彼らのマインドを掘り下げていくこのコラム。人生の先輩たちへの取材を通し、輝く未来を手に入れるためのヒントは得られるのか? 経験豊かで前向きに“珍人生”を謳歌する、幸せな「B面人生」を手に入れた先駆者たちの素顔に迫る。

 東京・八王子の駄菓子屋「藤屋」。創業60年を超える同店は、地元のお年寄りから子供まで多くの人に愛されている。この店を切り盛りするのは、2代目若旦那のイノウエアツシさん(53歳)。通称・あっちゃん。

今回の主人公、あっちゃんが店主を務める駄菓子屋「藤屋」
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エプロン姿のあっちゃん。ごく平凡な駄菓子屋のオヤジさんに見えるが……
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 店内は子供に人気の菓子だけでなく、ロングセラーの渋い商品まで並んでおり品ぞろえは豊富。常連の要望に応えるべく、あっちゃんは週の半分以上、朝5時に起きて問屋へ出向く。

 接客の合間に、地元の町内会で配られる菓子の折り詰めを作るのも大事な仕事だ。エプロン姿で黙々と作業する姿は、なんとも平凡。だが、この男がひとたびステージに立つと、日本を代表するロックバンドのボーカルへ変身する。

菓子の折り詰めを作るあっちゃん。とてもあの“伝説のバンド”のボーカルとは思えないが……
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