若者は努力している

 「今どきの若者は……」と悪いところを探し出し、飲み屋でくだを巻くのはオジサンのストレス解消として許してもらおう。しかし、ビジネスの場面では、素直に彼らの優れた点を認め、あわよくばその技を盗み取ってやるぐらいの貪欲さを見せたほうが断然に得だ。

 「今のテレビに出ている連中の会話は実に貧困極まりない。そもそも日本語がなってない!」と嘆く前に、冷静に彼らの言動一度見直してみるがいい。

 今をときめく若い芸人さんたちはしゃべること以上に、本や映画、DVDから情報を仕込み、出会った人との会話、巡り合わせた出来事を子細に観察し、それをネタに仕上げることに努力を惜しまない。

 メディアが今ほど発達していなかったころなら、同じネタを違った場所で使い回すことができたのかもしれない。ところが今は、いったんテレビで披露したら、次は別のエピソードを語らないとアッという間に飽きられる。

 したがって、彼らは常にネタ帳を携帯し、暇さえあればメモをする。楽屋での待ち時間など、多少なりともまとまった時間のあるときに「受ける話」「すべらない話」のストックを積み上げていく。ブログの更新も欠かさないから、書く量はわれわれが想像する以上に膨大だ。「量」が自然と「質」を高める。

 政治家や学者に食らいつき、時には論破する爆笑問題の太田光の半端じゃない読書量。劇団ひとりが書くエッセーや小説にほとばしる才能。品川庄司の品川祐のブログから感じる小説、漫画、映画へのエネルギッシュな創作意欲――。これら芸人さんたちは、絶え間ない努力の結果、才能を開花させている。