おじさんのほうが「誤用」も多い

 若者以上に活字に触れていないオジサン世代のお寒い実態を裏付ける結果も明らかにされている。

 例えば「混乱した様子」を表す言い方について、2つの選択肢を示し正しい表現がどちらかを調査した結果がある。

A:「上や下への大騒ぎ」(誤用)
B:「上を下への大騒ぎ」(本来の言い方→正解)

 Aと間違えた人は、20代で48.2%なのに対し、40代では56.2%、50代は60.8%と6割を超えた。「日本語が不自由なはずの若者」より、オジサン世代のほうが間違った言い方を選んでいるのだ。

 同じように、「役不足」という言葉の意味についてもおやじ世代の誤解が目立つ。

A:「本人の力量に対して役目が軽すぎること」(本来の意味である→正解)
B:「本人の力量に対して役目が重すぎること」(誤用)

 Bの誤用を選んだ人は、20代の若者が46.3%と比較的少ないのに対し、50代は誤用が53.5%で半数を超えている。部長就任のあいさつで「私など役不足ですが、全力で頑張ってまいる所存です」なんて、頓珍漢(とんちんかん)な言い方をするオジサンが多いということだ。

 このように公的機関の調査もまた「(日本語問題で)憂慮すべきは中高年だ」という斎藤美奈子さんの指摘を裏付けているような気がする。

 私自身が50代半ばの「立派なオジサン世代」であるだけに残念な気持ちもあるが、現実を直視しなければならないとも思う。と同時に、オジサンたちは若者たちから大いに学ぶ姿勢を持ったらどうかと提案したい。