当記事はnikkei BPnetに連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2016年1月7日です。記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。

いつから上から目線な言い方をするようになったんだ?

 久しぶりに2人きりで飲んだ友人が、いつもの「無駄にゲンキで明るいキャラ」が影を潜め、落ち込んでいた。まだかろうじて40代。初老うつには早すぎる気もした。脱サラ後、中古車販売と保険代理店業からスタートして20年。長引く不況も乗り越えて、仕事は極めて順調だと聞いていた。気の強い奥さんと、またもめたのかと気になった。

私:「なんかあった?」

友人:「実は○○と、この1年近く断絶状態なんですよ」

私:「大親友じゃない?」

 某家電企業に勤務する彼の親友は、50歳の大台を前に独立自営の道を模索中で友人に助言を求めてきたのだそうだ。

私:「起業は素人には無理だ、やめろとか、余計なこと言ったんじゃないの?」

友人:「その逆です。彼の話から、私の脱サラ経験を含め熟慮の結果を伝えたんです」

私:「で、どういったの?」

友人:「俺がなんとでもサポートできる。事務所も電話も使ってもらって構わない。法律的な問題はうちの顧問弁護士に相談したらいい。お前の助けになりそうなやつの顔も浮かんできた。自営は大変だけど楽しいぞ、善は急げ!」

私:「ほお、力強いねえ……」

友人:「ところがいきなり彼の口をついて出た言葉が意外だった……」

私:「どんな?」

友人:「いつからそんな上から目線な言い方をするようになったんだ?」

 友人は「応援したい」「助けたい」という素直な気持ちを表明しただけのつもりだった。しかし、彼の親友からすれば「脱サラ成功者の自慢げな空気」を嗅ぎとり、「上から目線」との印象を抱いたのかもしれないと、私は感じた。

(写真:bee/PIXTA)
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