当記事はnikkei BPnetに連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年6月12日です。記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。

 このところのテレビは、第何次かのクイズ番組ブームだ。知り合いの放送作家によれば、1週間に民放だけで20以上のクイズ番組がひしめいているのだという。少々長くなるが、以下は彼の証言だ。

クイズのネタ探しで業界は大わらわ

 「業界ではクイズの問題探しでえらいことになってる。『お、これはネタになる!』と思って調査をかけると、たいていどこかの局が取材した後だったりする。今は昔と違って、番組のテンポが速く、クイズ1問あたりの時間が短い。それだけ問題数を多く用意しなければならない。

 『雑学として役に立ち、面白く、しかもほかの番組とカブラない問題候補、50問ほど用意しといて』なんて局P(プロデューサー)に言われればそりゃあ何とかしたい。ネット検索はもちろん、図書館や郷土資料館など、ネタが見つかりそうな所へ日参してコピーを取りまくる。事実確認のため現場まで行って取材をしまくる。空振りも多いから、まあ、3時間続けて寝るなんてことはあり得ないね」

 「最近のテレビは手を抜いて、同じようなクイズばかりだ!」とお怒りの声も聞こえてくるが、現場は現場で大変なのだ。

 ニーズがあればそこに多くの人間がビジネスチャンスを狙って群がるのはどの世界でも同じ。芸能界は今、一大「お勉強ブーム」だ。

(写真:motion.imaging/PIXTA)
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 お笑い芸人の中にも、暇さえあれば中高生時代に使っていた地図帳や歴史年表を広げている者がいる。百科事典が入っている電子辞書を携帯し、分からない言葉を目にし、耳にするたびこまめに調べている俳優さんも見る。

 元祖アイドルアナウンサーの有賀さつきさんも、本格的に取り組んでいる「漢字検定」を受験するため猛勉強中。もともと頭が良く、クイズ巧者でもあった元フジテレビアナウンサーの菊間千乃さんは、勉強好きが高じて局を退職。法科大学院に入学し、法曹界を目指している。そのうち「女性弁護士大会」とタイトルの付いたクイズ番組に出てくることになるかもしれない。