お客さんの顔と、よく買う商品を覚えておく

(写真:KAORU / PIXTA)
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 流通業界では大型スーパーが苦戦する現在、意外な「コンビニの善戦」が伝えられる。顧客開拓のキーワードは情の接客なのか?

 「またまた、適当なこと言っちゃって……梶原さんは相変わらずだなあ」とあきれて言うのは、現在都心にあるコンビニの店長を務める30代後半の友人だ。都心のマンションの一階にあるその店は、なかなかな繁盛ぶりだ。

店長:「うちの店は若い人というよりある程度年齢のいったお客さんが多いんです。パッと来て、パッと買って、パッと帰る、というよりちょっとくつろぎたいというお客様が多い。会話を楽しみたい方もいらっしゃる」

梶原:「なじみのお客さんも多い?」

店長:「ええ、おかげさまで」

梶原:「なじみ客を増やすコツってあるの?」

店長:「従業員にも言うのですが、お客さんの顔と、よく買う商品を覚えておくってことですかね」

梶原:「毎日何百人も来るお客の顔、覚えられる?」

店長:「お客様って、来店時間がほぼ決まっているんです。ああこの方は前回もこの時間だったと、外の景色と一緒に記憶していく」

梶原:「時間軸で整理して覚えるんだ」

店長:「まあ……外が暗くなったころお見えになるとかですね」

梶原:「一緒に、何を買うかも覚える?」

店長:「そうですね、たばこの銘柄はほぼ確実に同じものをお求めになりますから、この方はセブンスターの何ミリみたいのは覚えておいて、レジに来られる瞬間に手元に用意しておいたりします」

梶原:「へえ、でもたまたまその時はたばこはいらないってことだってあるんじゃない?」

店長:「そうなんですよ。でも私がそのたばこを持っているのに気がついたお客さんは、とってもうれしそうに言うんですよ。<今日はコーヒーだけにしようと思ったんだけど、じゃあ、たばこも買っちゃおうかなあ~>」

 たばこ、ビール、お茶、コーヒーなど嗜好品は同じものを買う人が多い。さりげなく「いつでも出せる状態にしておく」は、常連作りの基本なのだろう。