自分がもし死んだら、家族がもし亡くなったら、そのパソコンやスマホのデータ、ネット銀行やSNSのようなオンラインサービスのデータなど、残されたデジタルデータはどうなってしまうのか? どんな備えをしておくべきなのか? そんな「デジタル終活」について、デジタル遺品研究会ルクシー代表理事の古田雄介氏が解説していく。

 これまで様々な事例を見てきたが、デジタル遺品問題を避けるにはどうしたらいいのだろう?

 解決パターンは大まかにいうと2つだ。

 ひとつはデジタル資産の持ち主が生前からきちんと準備しておくというパターン。もうひとつは、遺族等が後から情報をかき集めたり、機器やサービスの提供元に相談したりするパターンだ。

 機器やサービスを提供している業者側が率先して動いてくれるというパターンは期待できない。問題を解決するには、デジタル遺品(資産)の所有者たる当事者たちが動くしかないのだ。

持ち主がちょっとの手間で備えておくのがもっとも効率的

 2パターンのうちどちらの手間が少ないかというと、圧倒的に前者だ。デジタル資産の持ち主が健在なうちから最低限の備えをしていれば、大抵のデジタル遺品問題は回避できる。

 おすすめの方法は、必要最小限のデジタル資産情報のメモを紙に記して、預金通帳や実印などと一緒に保管しておくこと。そしてその紙を1年ごとに更新すること。たったこれだけだ。メモはいわばデジタル資産のスペアキーであり、それを作って毎年最新情報に更新しておくという感覚でいい。

必要最小限の情報を紙にして、重要書類入れにしまっておく
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 こうすることで、自分に万が一のことがあっても、残された家族は遺品整理で重要書類を探す過程で、重要なデジタル資産の情報にも気づけるようになる。

 このスペアキー作りはできるだけ時間をかけないようにしたい。あまり気合いを入れすぎると習慣化が難しくなるためだ。健康保険証を新しいモノに切り替えるとか、それくらいの些細な手間、せいぜい毎年10分くらいかける程度がいい。A4用紙1枚に書ける程度の情報量が個人的に妥当だと思っている。