自分がもし死んだら、家族がもし亡くなったら、そのパソコンやスマホのデータ、ネット銀行やSNSのようなオンラインサービスのデータなど、残されたデジタルデータはどうなってしまうのか? どんな備えをしておくべきなのか? そんな「デジタル終活」について、デジタル遺品研究会ルクシー代表理事の古田雄介氏が解説していく。

 10年前に大学を卒業したばかりの息子さんを亡くしたという関東在住の女性・Xさんは、彼の部屋をできるかぎり当時のままに保つようにしている。本棚の並びやクローゼットのなかの洋服の配置もそのままだという。Xさんは息子さんが残していったブログを継続管理していて、その話を伺うためにご自宅にお邪魔した。息子さんが愛用していたであろう据え置きノートパソコンも、おそらくは当時のままの置き方で部屋に置いてあるのが目に入った。

 10年前ということは、残されているノートパソコンのOSはWindows XPかVistaだろう。どちらもサポート期限が切れている。メーカー保証もとうに終了していると思われる。

 そこで取材中にパソコンの扱いについて尋ねると、ブログはご自身のパソコンで更新しており、息子さんのものは亡くなった直後に重要そうなデータをいくつか印刷して以来、ほとんど触っていないという。

 余計なお節介と承知しながら、そのままの状態を保っておきたいなら、できれば外付けHDDなどにバックアップを残したほうがいいと取材の折にお伝えした。

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 デジタルデータは0と1で表される記号だ。その記号が正しく伝わりさえすれば、劣化することなくいつまでもオリジナルのままで存在し続ける。だから、デジタル遺品も半永久的に残るというイメージがあるが、実際は真逆といっていい。何も手をかけずにいたら、アナログな遺品よりもよほど早く消滅してしまう。

※紹介する事例はプライバシーを保護するために、本筋を損ねない範囲で脚色を加えています。