寝付きが悪い、夜中に何度も目覚める、寝た感じがしないなど、睡眠に関するさまざまな問題や不満。気にはなっているけれど、かといって病院に行くほどでもない。仮に病院に行って薬を出されでもしたら、自分は病気なのかと心配になってしまうかも。どこかに気軽に相談できる場所はないものか……。そんな悩みを抱える人におすすめなのが、寝具メーカーの東京西川(西川産業)が展開している「ねむりの相談所」。睡眠や寝具などに関する相談を通じて、快適な睡眠環境を提案してくれるというこのサービス。いったいどのようなものなのか?

眠りを“可視化”してコンサルティング

 “ふとんの西川”でおなじみの東京西川は、室町時代の創業という日本有数の老舗。近年は、多くの有名アスリートが愛用するマットレス「AiR(エアー)」の展開でも知られるところだ。創業時は蚊帳を扱っていた同社は、明治時代になってから寝具を手がけ始めた。以来、一貫して「眠り」に焦点を当て、1984年には「日本睡眠科学研究所」も開設。科学的な見地から眠りをサポートしている。

 2017年3月より全国で展開している「ねむりの相談所」は、そんな東京西川の科学的知見を導入したサービス。いったいどのようなものなのか、同社の営業戦略を担当し、日本睡眠科学研究所から認定された「スリープマスター」の資格をもつ速水美智子さんに伺った。

東京西川のスリープマスター速水美智子さん。スリープマスターは、睡眠科学や快眠環境などの専門講習を受けた眠りのプロフェッショナル
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 「『ねむりの相談所』では、睡眠状況を計測する機器をお貸しして1~2週間使用していただき、計測結果を眠りの評価として、一般の人にも分かりやすいようにパソコン上に表示します。そのうえで、店舗に常駐しているスリープマスターがお客様の睡眠状況を解説し、睡眠環境の改善などのアドバイスを行っていくのが基本的なサービスです。もちろん、相談だけでも可能です」(速水さん)

 一般人にも分かりやすく「眠りを可視化」したのが、このサービスの肝。相談だけなら無料ででき、計測機器を借りたとしても1000円(税抜)という手軽さが魅力だ。とはいえ、「ねむりの相談所」は寝具売り場の中にある。寝具売り場での購買層は主に50~60代の女性というだけに、男性はなかなか入りづらかろうと思いきや、そんなこともないらしい。

「ねむりの相談所」は、全国の直営店、百貨店、寝具専門店などにある東京西川の店舗に開設されている(写真提供:東京西川)

 「相談所を訪れる方の中には20~30代のビジネスマンやビジネスウーマンが、多くいらっしゃいます。多くが睡眠時間の確保が難しいなか、なんとかして睡眠の質を上げたいと考えている方たちです。運動や食事に比べて、これまで睡眠にはあまり注意が払われてきませんでしたが、2017年に“睡眠負債”という言葉が流行したこともあってか、睡眠に意識を向ける人が増えてきたという印象です」(速水さん)

 2018年8月現在、「ねむりの相談所」は、有楽町マルイに開設された旗艦店を筆頭に、全国で20店舗。開設の1年後には、体験者は1000人を超えた。ちなみに一番相談が多い症状は、夜中に目が覚めてしまう“中途覚醒”だとか。同胞は多し、なのである。