今回のTREND EXPO TOKYO 2016で異色のセッションとなったのが、お笑いトリオのグランジと一緒に、東京大学大学院特任研究員の久保友香氏が提唱する「シンデレラ・テクノロジー」について学ぶものだ。

久保友香氏 東京大学大学院 情報理工学系研究科 特任研究員

 「シンデレラ・テクノロジーって何? ガラスの靴をつくる技術?」というグランジのボケから講義はスタート。もちろんガラスの靴がつくれるようになるわけではない。

 久保氏が提唱するシンデレラ・テクノロジーとは、シンデレラの魔法に例えられる。シンデレラが魔法によってきれいになり、舞踏会にあがったように、現代の女性はテクノロジーを駆使して自分を美しくしている。メイクもそうだが、最近ではプリクラや「SNOW」のようなスマホアプリを使うことで、誰もがより簡単に自分の顔を「盛れる」ようになっている。

 盛った顔をプロフィールに使用することで、「SNSで理想の自分になっている」と久保氏は説明する。

 「今はタレントじゃなくても、ツイッターでフォロワーが何千人とか、そういう子がいっぱいいる」と話す久保氏に、「確かに今は一億総タレント時代かも」とグランジも大きく頷く。

美人は記号化されているが、その記号は時代によって違う

 久保氏によれば、浮世絵の時代やそれよりもっと以前から日本の美人画はずっとデフォルメされていたという。確かに人間の顔には多様性があるのに、浮世絵などはどれも同じ顔のように見える。

 「その時代ごとに美人とはこういうものという記号があって、その記号通りに描いている。今の若い女の子たちも同じで、例えば少し前には目がぱっちりで垂れ目というのが美人の記号だった。美人の記号化は日本に脈々と続いている文化なんです」と主張。つまり「盛る」とは、美人の記号に自分の顔をデフォルメすることなのだ。

お笑いトリオ・グランジ。左から五明拓弥氏、大氏、一番右が遠山大輔氏
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