出版不況の中でも着々と展開を続ける「天狼院書店」。店舗を使ったイベントを数多く仕掛ける背景には、「クリエイター集団」として成長するという狙いがある。

「書店はピンチだという思い込みで見られているが、余裕だ」

 池袋を中心に展開する「天狼院書店」の三浦崇典代表はそう言い切った。

 世の中では「出版不況」が叫ばれ、書店を取り巻く環境は厳しい。出版科学研究所によれば、紙の出版物の推定販売金額は13年連続で減少した。アマゾンをはじめとするインターネット通販や電子書籍の普及にも大きな影響を受ける。

 そんななか、順調に拡大を続けるのが天狼院書店だ。店内にカフェを設け、「ゼミ」や「部活」といったリアルイベントを行う体験型書店として注目を集めているが、同店が売るのはあくまで「本」だという。

「天狼院書店」の三浦崇典代表。天狼院書店のイベントで自分自身も写真の腕を磨き、カメラマンとしても活動する。東京プライズエージェンシー代表取締役(写真:都築雅人、以下同)。
 

「有益な情報はすべて『本』なのだと再定義した。たとえば『論語』の場合も、文章になる以前に孔子が考え、弟子に直接話した内容がそもそもあったはず。それも本のあり方のひとつ。必ずしも書籍である必要はない。お客さんが、情報に触れるメディアを自分で選べばいい」(三浦代表)