ポルシェは今年、”ポルシェ”の名がついたスポーツカーを作りはじめてちょうど70周年を迎えた。1948年オーストリアのグミュントで「ポルシェ356」の第1号車が誕生。ドイツ・シュトゥットガルトにあるツッフェンハウゼンの本社工場で、いまも911をはじめとするスポーツカーが作り続けられている。その本社工場の隣には世界中のクルマ好きが訪れるポルシェミュージアムがある。

 ミュージアムに展示されているのは約80台だが、バックヤードには約400台にも及ぶ車両があり、定期的に入れ替えられている。ポルシェは“ローリングミュージアム”というコンセプトにこだわり、ミュージアム内にレストアガレージを備え、すべてのクルマがすぐに走行可能なコンディションを維持している。また車両展示だけでなく資料や画像、3000冊以上の関連書籍などを所蔵するポルシェアーカイブも併設し、貴重な所蔵品を見学することもできる。

70周年記念展示が行われているポルシェミュージアム。中央に見えるのが、ポルシェ 356 第1号車

 このミュージアムは、ポルシェにとってブランドの象徴であり、伝統を継承する一大拠点と位置づけているという。そして現在70周年を機に特別展示が催されている。クラシックカー部門の責任者に、あらためてポルシェの歴史、そしてどのようにして貴重な車両を収集しているのか、などについて話を聞いた。

Manager Classic Car Collection
Alexander E.Klein
ポルシェ・ミュージアム車輌管理責任者
アレキサンダー・クライン

シュトゥットガルトは特別な町

アレックスさんのような職種に就くには、クラシックカーに関して相当な知識がないと難しいと思いますが、やはり昔からずっとクルマ好きなのですか?

アレキサンダーさん(以下アレックス):子供の頃からこれまで常にクルマが傍にある生活を送ってきました。以前はメルセデスにいたのですが、そこでもオールドカーのコレクションチームを担当していました。クルマのコレクターである両親からも多くを学びましたね。私は思うんですが、コレクターの感覚というものは勉強だけで養えるものではなく、“鼻が利く”ことが重要ではないかと。