スズキと中国の重慶長安汽車が合弁事業の解消で基本合意したことが日経ビジネスの取材で明らかになった。世界最大市場に見切りをつけるスズキ。経営資源が限られる中堅メーカーの限界が透ける。

 スズキは中国で2つの合弁会社を展開していた。一つは長安汽車と1993年に設立した「重慶長安鈴木汽車(長安スズキ)」。もう一つは昌河飛機工業などと94年に設立した「江西昌河鈴木汽車(昌河スズキ)」だ。

ラインアップをなかなか広げられなかった(写真=共同通信)

 両社はスズキが日本で培ってきた軽自動車技術をベースに、安くて小さなクルマを生産、中国の自動車市場の立ち上げに貢献してきた。だが、車種の展開力が限られるスズキにとって、2つの合弁事業を続けるのはたやすくなかった。

 負担が大きかったのは、2つの合弁会社では同じ車種のクルマを生産・販売ができないこと。スズキは大ヒット車種の「アルト」や世界戦略車の「スイフト」を長安スズキに投入する一方、昌河スズキでは小型車「ワゴンRワイド」などを振り向けるなどして対応した。

 世界販売が年300万台超のスズキとはいえ、同1000万台クラスのトヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)などと比べれば、新車投入にかけられる経営資源には限りがある。結果、2つの合弁会社のラインアップは広がらず、競争激化の中で存在感が低下。スズキは昌河スズキの持ち株を合弁相手に譲渡したのに続き、長安汽車との合弁解消にも踏み切ることにした。

 トヨタや日産自動車などが世界最大市場での能力増強にひた走るなか、スズキは中国事業から手を引く道を選んだ。2012年には米国での四輪車事業からも撤退しているスズキ。世界2大市場に背を向けて、どこへ向かうのか。

 詳細は2018年8月27日号の『日経ビジネス』、『日経ビジネスDigital』で公開します。