この記事は「日経PC21 10月号 IT羅針盤」(2018年8月発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 2009年10月の発売以来、長年続いてきたウィンドウズ7搭載パソコンの出荷が、10月で終了する。7をプリインストールしたパソコンの出荷は2016年に終了したが、ウィンドウズ10搭載パソコンを7に「ダウングレード」した“7ダウングレードパソコン”は、継続販売されていた。システムがウィンドウズ10に対応できないなどの理由で7を使い続けている企業のニーズに応えるためだ。だがそれも終了となる(図1)[注1]。

図1 ウィンドウズ10のパソコンを、ウィンドウズ7にダウングレードした状態で販売されているパソコンがある。主に法人向けで、システムなどの都合でウィンドウズ7を使い続けたい企業などから引き合いがある(図はデルの直販サイトの製品例)
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 ダウングレードパソコンは、マイクロソフトが付与する「ダウングレード権」を利用して提供されている。これは、最新OSを利用するユーザーは一定の世代まで前のバージョンを利用してもよいというライセンス上の権利だ。ユーザーが自分でダウングレードしても、メーカーがダウングレードしてもよい。

 ただし、いくら7を使いたいからといっても、今、7ダウングレードパソコンを購入する場合には注意が必要だ。

 周知の通り、ウィンドウズ7のサポート期間は2020年1月まで。それ以降、7を使い続けるのはセキュリティ上のリスクがある。ならばインターネットには接続せず、安全な環境で7を使い続ければよいのではと思う人がいるかもしれない。だが、7ダウングレードパソコンに限ってはそうもいかない。7ダウングレードパソコンの場合、ダウングレードした7を利用できるのは、7のサポート期間内だけと決められているのだ。2020年1月以降に7を使い続けるのは、ライセンス違反となる(図2)[注2]。

図2 ウィンドウズ7にダウングレードしたパソコンの出荷は、今年10月に終了し、以降は店頭在庫のみの販売となる。注意したいのは、ダウングレードした7の使用期限だ。ダウングレードした7を使えるのは、2020年1月に7のサポートが切れるまで。以降は10にアップグレードして使う必要がある
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 さらに、10にアップグレードして使うにしてもデメリットがある。現在販売されている7ダウングレードパソコンには、実は古いCPUが搭載されている。インテルのコアiシリーズの最新版は第8世代だが、7ダウングレードパソコンが搭載するのは第6世代。なぜなら、第7世代以降のCPUは、ウィンドウズ7をサポートしていないからだ(図3)。1年と少しだけ7を使うために、あえて性能の低いパソコンを買うのは、あまり得策とはいえないだろう。

図3 第7世代以降のCPUではウィンドウズ7がサポートされていないため、7へのダウングレードパソコンは、第6世代のCPUを搭載している(上図は図1と同じデルの製品の仕様表)
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[注1]出荷できるのが10月31日までなので、受注はそれ以前に打ち切られる可能性が高い。例えばNECは、8月31日で受注を終了する
[注2]ボリュームライセンスなどの法人向けライセンスでは、サポート期間終了後も、ダウングレードした7を権利上は利用できる

(文/田村 規雄)