新作はミュージカルを起点にクロスメディア展開

――新プロジェクト『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(以下、レヴュースタァライト)も2017年にスタートしました。

木谷氏: 今度はミュージカルが原作で、アニメ、ゲームへと展開していくプロジェクトです。アニメやゲームなど原作が既にあるものを舞台化することは、2.5次元ミュージカルとして人気ですが、『レヴュースタァライト』はミュージカルのために書き下ろしたコンテンツです。

 原作があるものを舞台化するのは、すごく楽なのですが、半面、原作の影響から逃れられない、という側面があります。どこか抑えた演出、演技になってしまうと思います。

 その点、『レヴュースタァライト』はミュージカルのためにつくった作品で、しかも舞台のキャストが夏から始まるアニメの声優も務めます。2.5次元とは全く違うアプローチです。影響されるものがないですし、原作者や誰かにチェックされるものじゃなくて自分たちで考えてつくり出すので、のびのびとしていて、発信するオーラも違いますね。

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』。舞台女優を目指す少女たちの物語。ミュージカル×アニメーションで紡ぐ、二層展開式少女歌劇 (C) Project Revue Starlight
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──『レヴュースタァライト』と2.5次元ミュージカルと比較した木谷さんのツイートが反響を呼びました。

木谷氏: これはある意図を持ったうえでつぶやいたのですが、予想通り、多くの反応が寄せられました。肯定から入ると話題は一瞬にして終わりますが、否定は続くんですよね(笑)。今回のツイートも最終的には2700以上もリツイートされ、プチ炎上してしまいました。でも、それで初めて『レヴュースタァライト』を知ってくれた方もたくさんいると思うんですよね。

──ブシロードのプロジェクトで、ミュージカルからコンテンツをつくり始めるのは初めてだと思いますが、何か意識していることはありますか?

木谷氏: “舞台の常識”にとらわれないようにしています。あくまで、『レヴュースタァライト』というコンテンツのファンを増やしたいわけで、舞台が好きなファンを増やしたいわけではありません。だから、普通の舞台であれば観劇チケットを一般販売しますが、『レヴュースタァライト』はCDやBlu-rayを買ってくれた人に先行申込券を付けたっていい。よく飲み屋に舞台のチラシが置いてありますが、チラシなんて作らなくてもいいよ、と言っています。

 また、舞台は「見ていると眠くなる」というイメージがあるかもしれませんが、『レヴュースタァライト』ではそんなことはありません。2時間あってもおかしくないようなものを1時間10分くらいに凝縮してやっています。例えば、登場人物が舞台から去っていくときも、若干早歩きか小走りぐらいで去っていく。常に動き回りますし、場面転換も結構多い。これはすごく意識しました。

 一方で、評判が良すぎると同じ方が何度も来て、新たなファンが広がらない、というデメリットが舞台にはあります。実際、2017年9月の初演の評判がとても良かったので、先日の2018年1月の再演では、同じ方が何度も見に来てくれる、ということが多かったようです。そうなると見られる人が限られてしまうので、最終回の公演を全国の映画館でライブビューイングして、1300人くらいの方に見ていただきました。

 今度は10月に新作の公演があります。本公演は小さな劇場となりますが、再演は2000人以上入るような大きい会場でやってみたい。舞台ファンは、細かいところまで見たくて何度も通って、1回1回見るところを変えたり、公演ごとに表情が違うところを楽しみます。でも、コンテンツのファンというのは、そのコンテンツが好きな仲間が一堂に会して、こんな大きな規模で一緒に楽しんでいる、ということがいいわけです。今回の『レヴュースタァライト』では、コンテンツファンが楽しめる公演にしていきたいですね。

2018年1月に再演した『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ―The LIVE―」#1 revival』 (C) Project Revue Starlight
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