合羽橋の老舗料理道具店 「飯田屋」 の6代目、飯田結太氏がイマドキの料理道具を徹底比較。今回はキッチンばさみ。切れ味が良く、長く使えるはさみの選び方を紹介する。

 こんにちは、飯田結太です。料理道具屋にとって、包丁と同じく重要な道具がはさみです。私は飯田屋に並ぶほとんどのはさみを実際に試していますが、万能といわれるタイプでも、実はひとつの食品や物に対してはよく切れるけれど、それ以外には使いづらいものがけっこうあります。そこで今回は、はさみの選び方、長く使えるポイント、切れ味をどうやって見極めるのかをご紹介します。

浅草、合羽橋の老舗調理道具店「飯田屋」六代目、飯田結太氏
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プレス製と鍛造

 はさみは大きく分けて2つの作り方があります。ひとつは型を抜いて作るプレス。もうひとつは手間をかけて金属を熱してたたいて形作っていく「鍛造(たんぞう)」。

 プレスのはさみは手ごろで種類も豊富ですが、徐々に切れ味が悪くなり、大体5~6年で買い替えが必要になります。一方、鍛造のものは高額で種類はあまり出ていませんが、切れ味が続き、10年以上使えるので、結果的に鍛造のほうがお得かもしれません。

 刃の種類は2種類。ギザギザな刃がついているセレーションとフラットな平刃。最近多いのは、片方がセレーション刃で、もう一方を平刃にしているもの。セレーション刃は、ギザギザが細かいほど高額。鍛造の場合、少し粗めのセレーション刃が一般的です。

 キッチンはさみとして使うなら、セレーション刃がお薦めです。なぜギザギザ刃のほうが良いかと言うと、第一に、食材を切るときに滑らないから。特に皮付きの鶏肉、昆布やのりなどは、滑りやすくて切りにくい食材です。ギザギザ刃は食材にしっかりと食い込んでいくので、よく切れます。

刃の部分がギザギザになっているセレーション刃
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