写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-Pro2」を取り上げる。4年前に登場したシリーズの初代モデル「FUJIFILM X-Pro1」の後を継ぐフラッグシップモデル。旧モデルの外観をほぼそのまま受け継いだデザインとは逆に、内部は最新モデルにふさわしい改良が施された。注目の画質を三井カメラマンに検証してもらった。

 富士フイルムのミラーレス一眼「Xシリーズ」のフラッグシップ機が、4年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。その名は「FUJIFILM X-Pro2」。センサーの高解像度化、特徴的なファインダーのリファイン、SDカードのデュアルスロット化、味のあるモノクロ写真が撮れるACROSモードの搭載など、期待に応える進化を遂げている。

富士フイルムが3月3日に発売した「FUJIFILM X-Pro2」。外観は旧モデル「X-Pro1」とほとんど変わりないが、内部を一新して撮影性能や画質、ファインダーを改良した。ボディー単体モデルの実売価格は19万円前後
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 X-Pro2は、レンジファインダーライクなボディーデザインが好評だった旧モデル「X-Pro1」の外観はそのままに、内部の主要パーツを一新。新開発となる有効2430万画素のAPS-C型センサー「X-Trans CMOS III」と新しい画像処理エンジン「X-Processor Pro」の組み合わせにより、Xシリーズで定評のある描写に磨きをかけつつ、高感度性能やオートフォーカス性能、あらゆるレスポンスの向上を図った。

全般にレスポンスが向上し、ファインダー撮影がとても楽しい

 X-Pro1最大の特徴であった独自のファインダーは、X-Pro2で「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」に進化。光学ファインダーとEVFの長所を融合した「エレクトロニックレンジファインダー」モードは、光学ファインダーの隅に小さくEVFの表示を載せて確認できるのが魅力。ヌケがよくタイムラグがない光学ファインダーの良さに、EVFによるピント確認や露出の表示をオーバーレイできるのが便利なだけでなく、何より撮影する気分を盛り上げてくれる。切り替えも簡単で、ボディー前面にあるレバーを引いてやればよい。

 マニュアルフォーカス時も、レンジファインダーカメラでおなじみのデジタルスプリットイメージと、合焦した部分を強調表示するフォーカスピーキングにより、ピントの合わせやすさが向上している。X-Pro2を使えば、まず「ファインダー撮影が気持ちいい!」と感じるだろう。

 全体のレスポンスがキビキビとしたことも、撮影の気持ちよさを高めてくれる。起動の素早さはもちろん、シャッターを切った後のブラックアウト時間が短縮され、RAWの書き込みが速くなったことで、サクサクと扱える。撮り手の意識にしっかりとついてくる印象で、撮影していて本当に心地よかった。

 オートフォーカスも、像面位相差AFの範囲が広がっただけでなく、ボディーの背面に新設された「フォーカスレバー」でAFポイントを自在に移動できるのが素晴らしい。見え具合のよいファインダーをのぞきながら被写体をフレームに収めつつ、X-Pro2を握った右手親指でAFポイントを自在に操りながら小気味よくシャッターを切る撮影が実にいい。AFのスピードや精度も満足のいく仕上がりで、動きの激しい被写体を高速連写するのでなければ、ハイエンドの一眼レフとそん色のないレベルで撮影できるはずだ。

X-Pro2を手にすると、光や影、そして色に敏感になる。それらを鮮やかかつドラマチックにキャプチャーできるカメラだからである(XF23mmF1.4 R使用、ISO200、1/500秒、F8.0、-0.3補正)
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ヌケのよい光学ファインダーで撮るも良し、エレクトロニックレンジファインダーでいいとこ取りを楽しんでシャッターを切るのも良し。富士フイルムのカメラらしい味わいが堪能できる(XF90mmF2 R LM WR、ISO200、1/1500秒、F2.0、-2.7補正)
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フレームを広範囲にカバーする像面位相差AFは、被写体が画面の中央になくても正確なピント合わせが可能だ。ボディーの背面に設けられた「フォーカスレバー」という名のジョイスティックで、自在にAFポイントを操れるのが実にいい(XF90mmF2 R LM WR、ISO200、1/85秒、F8.0、-0.7補正)
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