2018年10月1日に創立100周年を迎えたパイロットコーポレーションが、それを記念して、パイロットの漆芸作家グループ「國光會(こっこうかい)」による、「創立100周年記念漆芸品」を数量限定で発売する。

 その内容がすごすぎて驚いた。世界限定25セット、価格は500万円(税別)の創立100周年記念漆芸セット「七福神」(10月15日発売)をはじめ、世界限定100本、100万円(税別)の創立100周年記念万年筆「富士」(11月15日発売予定)、世界限定800本、15万円(税別)の「富士と明治丸」(11月15日発売予定)の3点。

 特にすごいのは七福神だ。1本ずつに七福神それぞれが蒔絵で描かれた万年筆7本に、七福神をイメージした7色のオリジナルインキと蒔絵のペントレ―、筆置きまでが蒔絵箱にセットされている。500万円という価格にも思わず納得してしまうほどの、完成度と職人の技とパイロットの歴史が凝縮した製品に仕上がっていた。

パイロット創立100周年記念漆芸セット「七福神」(500万円)。七福神が描かれた万年筆7本に、七福神をイメージした7色のオリジナルインキ、蒔絵のペントレー、筆置きが蒔絵箱にセットされている
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 1918年に創業したパイロットは、万年筆と言えば舶来品が最高という時代に、世界に通じる日本の万年筆を作ることを目指していた。そして開発したのが、当時、万年筆の軸の素材として主流だったエボナイト(ゴムを原材料とする樹脂)を漆で表面処理する「ラッカナイト」という技術。これは、変色しやすいエボナイトを漆でコーティングすることで変色を防ぐと同時に、美しさも付与する技術で、1925年には日本と米国で特許を取得した。

 さらに、ラッカナイトで処理した漆の上に蒔絵を施し、日本ならではの技術と装飾の技芸を世界に伝えることができる蒔絵万年筆の輸出を始めたのだ。

 その後、パイロットは1926年にのちの人間国宝であり、当時の蒔絵の最高権威だった松田権六氏を招へい。松田氏は社内外の蒔絵師80人によるグループを組織した。これが現代まで続くパイロットの蒔絵万年筆を世界に広めた職人集団、國光會の始まりだ。