【小沢コージの勝手なる提言】スペック勝負に出ないホンダの正義とは?

 ってなわけで乗れば確かに上質かつパワフル、本質価値勝負に出てるのが伝わってくる3代目インサイト。燃費も特定区間の実燃費こそ測れませんでしたが、北米コンビモードで48MPGは悪くないし、試乗会でガンガン峠道を走らされてのメーター燃費が30MPG前後も悪くありません。日本式表示にすると12.8km/Lに相当しますから。

 でもやっぱり記号性勝負であり、シビアな販売現場になるとどうなんでしょう。実用セダンで、味わいであり、普遍的な美しさを前面に押し出す作戦は。

 もちろんこういうクルマに成功してほしいし、スペックより味であり、インパクトより本物っぽさが評価される世の中であってほしいもの。

 でもね。現実マジメでいい人ってさほどウケないんですよ。中身より見た目、クチベタよりハッタリ、インパクトある存在の方がなにかウケる時代なんです。

 いわゆるナンバーワンを目指さず、スペックより中身で勝負の「世界に一つだけの花」理論なぞ、ウソ臭い理想論だと思ってる小沢としては、今回のインサイトの方針にはイマイチ賛成できないものがあります。

思い付きの“味勝負”がイヤ

 というか実はあの戦うホンダが、一見戦わない方針を打ち出したことにガッカリしてるのかもしれません。ついにホンダも草食化したのか? と。

 いやホントは違います。味勝負もいいんだけど、それが突発的で思いつきっぽいのがイヤなんです。味や上質さで勝負するならホンダブランド全体で、長い時間かけてやるべきだし、極端な話、軽なんてやめてしまえ! と。美しさであり本質価値追求で勝負するならイタリアブランドやマツダのように会社全体を挙げてやってくれと。

 そうじゃないとこういう本質的作戦は本当には成功できないと思いますので。

 とはいえクルマ自体は確かによくできています。これが売れたら、ホンダもすべて変わるんでしょうか。だったら応援したくなってくるのかもしれまんけどね(笑)

今回の本質的作戦が奏功すれはホンダはすべて変わる?
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スタイル★★★★
実用性★★★★
★★★★

(文・写真/小沢コージ)

プロフィール

小沢 コージ

自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティ自動車ジャーナリスト。

連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『vividcar』などに寄稿。09年10月から10年3月までTOKYO MXテレビで毎週土曜夜11時に放映した『アンダーステア』のパーソナリティとしても活躍。近著に「アンダーステア DVD Vol.1 スーパースポーツ編」がある。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

ブログ「小沢コージでDON!!」も随時更新。