【小沢コージの2018年大予想】やっぱり残念! 取得税撤廃&1300億円減税案のウソ

 ってなわけで今年も頑張ってリリースされる日本の新車ですが、根本から大きく関わってくるのが冒頭の税金問題です。

 改めて今回の増税問題を説明します。まず、購入時の消費税が8%から10%に上がると同時に長らく続いた自動車取得税が廃止されます。しかし、実はその代わりに取得税とほぼ税率が変わらない「環境性能割」(いわゆる燃費課税)が適用されるのです。

 環境性能割は、2020年度燃費基準を達成した車両以外は軒並み増税の対象で、結局2~3%増税されるに過ぎないのです。

 さらに、もう1つ実は朗報があります。これは自動車工業会会長のトヨタの豊田章男社長も2018年12月の定例会見で評価していましたが、自動車関連税が始まった1950年以来、ほぼ70年ぶりに恒久減税が行われるのです。

2018年12月の定例会見で話す豊田章夫・自動車工業会会長
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 具体的には、本丸の自動車税に対して排気量別に細かく税額が減らされ、満額だと年間1300億円の減税になるといいます。ただし、ぬか喜びはできません。

 新しい自動車税が適用されるのは2019年10月以降に登録された新車のみで、すでに我々が所有しているクルマとは無関係。毎年払う自動車税なのに、新規購入時の税と同様の扱いがなされるのです。

 つまり初年度の2019年は、おそらく多くて数十億~数百億円の減税。1300億円が減税されるのは専門家によれば「すべてが新型車に変わるおよそ13年後」。遠い先の話というだけでなく、自動車関連税が年間8兆円かかっている現状では、1300億円はわずか1.6%に過ぎないのです。

 章男社長は言いました。自動車産業を「“納税産業と考えている方々”と“成長産業と考えている方々がいる”」と。

 そう、日本の自動車は70年以上の長きに渡り経済成長を支えているにも関わらず、単なるいい納税相手と見なされている部分がある。これはやはり大変に残念な話なのです。今後、日本の自動車産業がさらに成長し、欧州勢はもちろん、今後ますます勢い付く韓国や中国勢に対抗するためにはホームグラウンドたる国内販売の勢いは欠かせません。

 いよいよ世界的EVシフトの兆しもみえてきましたし、心の底からさらなる本格減税を希望する次第なのであります。

(文/写真・小沢コージ)

プロフィール

小沢 コージ

自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティ自動車ジャーナリスト。

連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『vividcar』などに寄稿。09年10月から10年3月までTOKYO MXテレビで毎週土曜夜11時に放映した『アンダーステア』のパーソナリティとしても活躍。近著に「アンダーステア DVD Vol.1 スーパースポーツ編」がある。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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