スマホの登場で誰でも撮影はできるようになったが、美しいと感じさせる写真を撮影するには構図をしっかり決めるのが何よりも肝心だ。フレーミングの基本ともいえる「3分割法」を頭に入れて撮影に臨むのもよいが、手や体を上下に動かしてアングル(カメラ位置の高低)を変えてみるなど、アクティブに動きながらカメラの液晶モニターを見て構図を追い込んでいきたい。逆光~半逆光になるよう光線を工夫すれば、被写体を立体的に表現できる。そこで、今回は美しい写真を撮るための上手な構図の取り方を中心に見ていこう。

 昨今、スマホのおかげで「写真撮影は難しい」というイメージはほぼなくなった。何しろ、画面をタッチすれば被写体にピントを合わせて撮れるのだから、たとえ幼い子どもでも簡単に撮影できる。だが、撮影自体が手軽になったとしても、むやみにシャッターを切るだけでは単なる記録にしかならない。しっかりとした意図を持って被写体にカメラを向けなければ、美しいと感じさせる写真を手に入れることはできないのだ。

 そこで重要になってくるのが構図だ。失敗例として多いのは、余計なものが写り込んでしまい、画面内が雑然としたり狙いが散漫になってしまうこと。もちろん、大事な要素が欠けてしまってもいけないので、画面の四隅にも気を配りながら落ち着いて構図を決めていくことが肝心だ。構図の法則はいくつかあるが、比較的つかみやすいのが、画面の縦横をそれぞれ3分割する方法ではないだろうか。

この写真で狙ったのは、蒸気機関車の機能美。さりげなく3分割を意識して機関車を配置しているのが分かるだろうか。このような平面の被写体は中途半端な角度ではなく、きっちり正対するか斜めからある程度角度を付けるか、はっきりさせたほうがよい(PowerShot G5 X使用、24mm相当、ISO125、1/160秒、F2.8)
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茅葺き屋根の民家が立ち並ぶ光景を、望遠端の100mm相当で遠近感を圧縮して切り取った。画面のほぼ対角線上に道を配置することで、自然な奥行き感が表現できた(PowerShot G5 X使用、100mm相当、ISO125、1/1000秒、F4)
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 今回使用したキヤノンの1型CMOSセンサー搭載プレミアムコンパクトデジカメ「PowerShot G5 X」は、画面上にこの縦横3分割の線を表示させることができる。小型軽量ボディーにバリアングル液晶とEVF(電子ビューファインダー)を搭載した意欲作だ。

今回使用したキヤノンの「PowerShot G5 X」は、小型軽量ボディーに電子ビューファインダーとバリアングル液晶を搭載し、どのようなシーンでも確実に構図を確認しながら撮影できるのが魅力。24~100mm相当のズームレンズと1インチの大型CMOSセンサーを搭載し、肝心の画質も大いに期待できる。実売価格は8万6000円前後
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 縦横を3分割した線やその交点の上に、被写体のポイントとなる部分を重ねて配置すると、構図に安定感が生まれる。葛飾北斎も、この法則を「三ツワリノ法」と呼んで多用していたほどだ。